「比丘たちよ、すなわち、誰にとってであれ、心によって、大海を充満したなら、彼〔の心〕には、諸々の小川が⸺それらが何であれ、海に赴くものであるなら⸺内含されているように、比丘たちよ、まさしく、このように、すなわち、誰にとってであれ、身体の在り方についての気づき(身至念:時々刻々の身体の状態についての気づき)が、修められ、多く為されたなら、彼には、諸々の善なる法(性質)が⸺それらが何であれ、明知を部分とするものであるなら⸺内含されています」と。
「比丘たちよ、一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたなら、大いなる畏怖〔の思い〕のために等しく転起します。……大いなる義(利益)のために等しく転起します。……大いなる束縛からの平安(軛安穏)のために等しく転起します。……気づきと正知のために等しく転起します。……〔あるがままの〕知見の獲得のために等しく転起します。……所見の法(現法:現世)における安楽の住(現法楽住)のために等しく転起します。……明知と解脱の果の実証のために等しく転起します。どのようなものが、一つの法(性質)なのですか。身体の在り方についての気づきです。比丘たちよ、まさに、この一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたなら、大いなる畏怖〔の思い〕のために等しく転起します。……大いなる義(利益)のために等しく転起します。……大いなる束縛からの平安のために等しく転起します。……気づきと正知のために等しく転起します。……〔あるがままの〕知見の獲得のために等しく転起します。……所見の法(現世)における安楽の住のために等しく転起します。……明知と解脱の果の実証のために等しく転起します」と。
「比丘たちよ、一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたときは、身体もまた静息し、心もまた静息し、〔粗雑なる〕思考と〔微細なる〕想念もまた寂止し、諸々の明知を部分とする法(性質)が、全部もろともに、修行の円満成就に赴きます。どのようなものが、一つの法(性質)なのですか。身体の在り方についての気づきです。比丘たちよ、まさに、この一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたときは、身体もまた静息し、心もまた静息し、〔粗雑なる〕思考と〔微細なる〕想念もまた寂止し、諸々の明知を部分とする法(性質)が、全部もろともに、修行の円満成就に赴きます」と。
「比丘たちよ、一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたときは、まさしく、そして、諸々の〔いまだ〕生起していない善ならざる法(性質)が生起せず、さらに、諸々の〔すでに〕生起した善ならざる法(性質)が捨棄されます。どのようなものが、一つの法(性質)なのですか。身体の在り方についての気づきです。比丘たちよ、まさに、この一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたときは、まさしく、そして、諸々の〔いまだ〕生起していない善ならざる法(性質)が生起せず、さらに、諸々の〔すでに〕生起した善ならざる法(性質)が捨棄されます」と。
「比丘たちよ、一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたときは、まさしく、そして、諸々の〔いまだ〕生起していない善なる法(性質)が生起し、さらに、諸々の〔すでに〕生起した善なる法(性質)が、より一層の状態のために、広大のために、等しく転起します。どのようなものが、一つの法(性質)なのですか。身体の在り方についての気づきです。比丘たちよ、まさに、この一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたときは、まさしく、そして、諸々の〔いまだ〕生起していない善なる法(性質)が生起し、さらに、諸々の〔すでに〕生起した善なる法(性質)が、より一層の状態のために、広大のために、等しく転起します」と。
「比丘たちよ、一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたときは、無明が捨棄され、明知が生起し、『〔わたしは〕存在する』という思量(我慢:自我意識)が捨棄され、諸々の悪習(随眠:潜在煩悩)が根絶に赴き、諸々の束縛するもの(結)が捨棄されます。どのようなものが、一つの法(性質)なのですか。身体の在り方についての気づきです。比丘たちよ、まさに、この一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたときは、無明が捨棄され、明知が生起し、『〔わたしは〕存在する』という思量が捨棄され、諸々の悪習が根絶に赴き、諸々の束縛するものが捨棄されます」と。
「比丘たちよ、一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたなら、智慧による細別のために等しく転起します。……〔何も〕執取せずして完全なる涅槃のために等しく転起します。どのようなものが、一つの法(性質)なのですか。身体の在り方についての気づきです。比丘たちよ、まさに、この一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたなら、智慧による細別のために等しく転起します。……〔何も〕執取せずして完全なる涅槃のために等しく転起します」と。
「比丘たちよ、一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたときは、無数なる界域の理解が有ります。……種々なる界域の理解が有ります。……無数なる界域についての融通無礙〔の智慧〕が有ります。どのようなものが、一つの法(性質)なのですか。身体の在り方についての気づきです。比丘たちよ、まさに、この一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたときは、無数なる界域の理解が有ります。……種々なる界域の理解が有ります。……無数なる界域についての融通無礙〔の智慧〕が有ります」と。
「比丘たちよ、一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたなら、預流果の実証のために等しく転起します。……一来果の実証のために等しく転起します。……不還果の実証のために等しく転起します。……阿羅漢果の実証のために等しく転起します。どのようなものが、一つの法(性質)なのですか。身体の在り方についての気づきです。比丘たちよ、まさに、この一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたなら、預流果の実証のために等しく転起します。……一来果の実証のために等しく転起します。……不還果の実証のために等しく転起します。……阿羅漢果の実証のために等しく転起します」と。
「比丘たちよ、一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたなら、智慧の獲得のために等しく転起します。……智慧の増大のために等しく転起します。……智慧の広大のために等しく転起します。……大いなる智慧たることのために等しく転起します。……多々なる智慧たることのために等しく転起します。……広大なる智慧たることのために等しく転起します。……深遠なる智慧たることのために等しく転起します。……近隣なき智慧たることのために等しく転起します。……広き智慧たることのために等しく転起します。……智慧の多大なることのために等しく転起します。……即座なる智慧たることのために等しく転起します。……軽快なる智慧たることのために等しく転起します。……敏速なる智慧たることのために等しく転起します。……疾走する智慧たることのために等しく転起します。……鋭敏なる智慧たることのために等しく転起します。……洞察の智慧たることのために等しく転起します。どのようなものが、一つの法(性質)なのですか。身体の在り方についての気づきです。比丘たちよ、まさに、この一つの法(性質)があります。〔それが〕修められ、多く為されたなら、智慧の獲得のために等しく転起します。……智慧の増大のために等しく転起します。……智慧の広大のために等しく転起します。……大いなる智慧たることのために等しく転起します。……多々なる智慧たることのために等しく転起します。……広大なる智慧たることのために等しく転起します。……深遠なる智慧たることのために等しく転起します。……近隣なき智慧たることのために等しく転起します。……広き智慧たることのために等しく転起します。……智慧の多大なることのために等しく転起します。……即座なる智慧たることのために等しく転起します。……軽快なる智慧たることのために等しく転起します。……敏速なる智慧たることのために等しく転起します。……疾走する智慧たることのために等しく転起します。……鋭敏なる智慧たることのために等しく転起します。……洞察の智慧たることのために等しく転起します」と。
身体の在り方についての気づきの章が第十九となる。
注釈【0】