そこで、まさに、ジャーヌッソーニ婆羅門が、世尊のおられるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、世尊を相手に共に挨拶しました。共に挨拶し記憶されるべき話を交わして、一方に坐りました。一方に坐った、まさに、ジャーヌッソーニ婆羅門は、世尊に、こう言いました。
「貴君ゴータマよ、わたしたちは、まさに、婆羅門たちとして、まさに、諸々の布施を施し、諸々の〔死者への〕供え物を作り為します。『この布施は、亡者である親族や血縁たちのために役立て。この布施を、亡者である親族や血縁たちは遍く受益せよ』と。貴君ゴータマよ、どうでしょう、その布施は、亡者である親族や血縁たちのために役立ちますか。どうでしょう、それらの亡者である親族や血縁たちは、その布施を遍く受益しますか」と。「婆羅門よ、まさに、〔相応する〕状況あるものにおいては役立ち、〔相応する〕状況なきものにおいては〔役立ち〕ません」と。
「貴君ゴータマよ、また、どのようなものが、〔相応する〕状況あるものであり、〔相応する〕状況なきものなのですか」と。「婆羅門よ、ここに、一部の者は、(1)命あるものを殺す者として〔世に〕有り、(2)与えられていないものを取る者として〔世に〕有り、(3)諸々の欲望〔の対象〕にたいする誤った行ないある者として〔世に〕有り、(4)虚偽を説く者として〔世に〕有り、(5)中傷の言葉ある者として〔世に〕有り、(6)粗暴な言葉ある者として〔世に〕有り、(7)雑駁な虚論ある者として〔世に〕有り、(8)強欲〔の思い〕ある者として〔世に〕有り、(9)憎悪している心の者として〔世に〕有り、(10)誤った見解ある者として〔世に〕有ります。彼は、身体の破壊ののち、死後において、地獄に再生します。すなわち、地獄にある有情たちには、〔相応する〕食があり、そこにおいて、彼は、それによって〔身を〕保ち行き、そこにおいて、彼は、それによって止住します。婆羅門よ、これもまた、まさに、〔相応する〕状況なきものとしてあり、そこにおいて、その布施は、止住している者のために役立ちません。
婆羅門よ、また、ここに、ここに、一部の者は、(1)命あるものを殺す者として〔世に〕有り……略……(10)誤った見解ある者として〔世に〕有ります。彼は、身体の破壊ののち、死後において、畜生の胎に再生します。すなわち、畜生の胎にある有情たちには、〔相応する〕食があり、そこにおいて、彼は、それによって〔身を〕保ち行き、そこにおいて、彼は、それによって止住します。婆羅門よ、これもまた、まさに、〔相応する〕状況なきものとしてあり、そこにおいて、その布施は、止住している者のために役立ちません。
婆羅門よ、また、ここに、ここに、一部の者は、(1)命あるものを殺すことから離間した者として〔世に〕有り、(2)与えられていないものを取ることから離間した者として〔世に〕有り、(3)諸々の欲望〔の対象〕にたいする誤った行ないから離間した者として〔世に〕有り、(4)虚偽を説くことから離間した者として〔世に〕有り、(5)中傷の言葉から離間した者として〔世に〕有り、(6)粗暴な言葉から離間した者として〔世に〕有り、(7)雑駁な虚論から離間した者として〔世に〕有り、(8)強欲〔の思い〕なき者として〔世に〕有り、(9)憎悪していない心の者として〔世に〕有り、(10)正しい見解ある者として〔世に〕有ります。彼は、身体の破壊ののち、死後において、人間たちの同類として再生します。すなわち、人間たちには、〔相応する〕食があり、そこにおいて、彼は、それによって〔身を〕保ち行き、そこにおいて、彼は、それによって止住します。婆羅門よ、これもまた、まさに、〔相応する〕状況なきものとしてあり、そこにおいて、その布施は、止住している者のために役立ちません。
婆羅門よ、また、ここに、一部の者は、(1)命あるものを殺すことから離間した者として〔世に〕有り……略……(10)正しい見解ある者として〔世に〕有ります。彼は、身体の破壊ののち、死後において、天〔の神々〕たちの同類として再生します。すなわち、天〔の神々〕たちには、〔相応する〕食があり、そこにおいて、彼は、それによって〔身を〕保ち行き、そこにおいて、彼は、それによって止住します。婆羅門よ、これもまた、まさに、〔相応する〕状況なきものとしてあり、そこにおいて、その布施は、止住している者のために役立ちません。
婆羅門よ、また、ここに、ここに、一部の者は、(1)命あるものを殺す者として〔世に〕有り……略……(10)誤った見解ある者として〔世に〕有ります。彼は、身体の破壊ののち、死後において、餓鬼の境域に再生します。すなわち、餓鬼の境域にある有情たちには、〔相応する〕食があり、そこにおいて、彼は、それによって〔身を〕保ち行き、そこにおいて、彼は、それによって止住し、また、あるいは、すなわち、彼のために、ここ(現世)から、あるいは、朋友や僚友たちが、あるいは、親族や血縁たちが、〔供え物を〕供与するなら、そこにおいて、彼は、それによって〔身を〕保ち行き、そこにおいて、彼は、それによって止住します。婆羅門よ、これは、まさに、〔相応する〕状況あるものとして、そこにおいて、その布施は、止住している者のために役立ちます」と。
「貴君ゴータマよ、また、それで、もし、その亡者である親族や血縁が、その〔相応する〕状況に再生していない者として有るなら、誰が、その布施を遍く受益するのですか」と。「婆羅門よ、彼の、他のまた亡者である親族や血縁たちが、その〔相応する〕状況に再生した者たちとして有り、彼らが、その布施を遍く受益します」と。
「貴君ゴータマよ、また、それで、もし、まさしく、そして、その亡者である親族や血縁が、その〔相応する〕状況に再生していない者として有り、彼の、他のまた亡者である親族や血縁たちが、その〔相応する〕状況に再生していない者たちとして有るなら、誰が、その布施を遍く受益するのですか」と。「婆羅門よ、まさに、このことは、状況なきことであり、機会なきことです。すなわち、その〔相応する〕状況が、この長時にわたり、離れたものとして存することです⸺すなわち、この、亡者である親族や血縁たちから。婆羅門よ、さらに、また、施者もまた、無果ならず」と。
「貴君ゴータマは、〔相応する〕状況なきものについてもまた、〔布施の果を〕遍く想定して説きますか」と。「婆羅門よ、まさに、わたしは、〔相応する〕状況なきものについてもまた、〔布施の果を〕遍く想定して説きます。婆羅門よ、ここに、一部の者は、(1)命あるものを殺す者として〔世に〕有り、(2)与えられていないものを取る者として〔世に〕有り、(3)諸々の欲望〔の対象〕にたいする誤った行ないある者として〔世に〕有り、(4)虚偽を説く者として〔世に〕有り、(5)中傷の言葉ある者として〔世に〕有り、(6)粗暴な言葉ある者として〔世に〕有り、(7)雑駁な虚論ある者として〔世に〕有り、(8)強欲〔の思い〕ある者として〔世に〕有り、(9)憎悪している心の者として〔世に〕有り、(10)誤った見解ある者として〔世に〕有ります。彼は、あるいは、沙門に、あるいは、婆羅門に、食べ物を、飲み物を、衣装を、乗物を、花飾と香料と塗料を、臥所と住所と灯具を、施す者として〔世に〕有ります。彼は、身体の破壊ののち、死後において、象たちの同類として再生します。彼は、そこにおいて、食べ物の、飲み物の、花飾と種々なる外装品の、得者として〔世に〕有ります。
婆羅門よ、すなわち、まさに、ここに、命あるものを殺す者であり、与えられていないものを取る者であり、諸々の欲望〔の対象〕にたいする誤った行ないある者であり、虚偽を説く者であり、中傷の言葉ある者であり、粗暴な言葉ある者であり、雑駁な虚論ある者であり、強欲〔の思い〕ある者であり、憎悪している心の者であり、誤った見解ある者であることで、それによって、彼は、身体の破壊ののち、死後において、象たちの同類として再生します。さらに、すなわち、まさに、彼が、あるいは、沙門に、あるいは、婆羅門に、食べ物を、飲み物を、衣装を、乗物を、花飾と香料と塗料を、臥所と住所と灯具を、施す者として〔世に〕有ることで、それによって、彼は、そこにおいて、食べ物の、飲み物の、花飾と種々なる外装品の、得者として〔世に〕有ります。
婆羅門よ、また、ここに、一部の者は、(1)命あるものを殺す者として〔世に〕有り……略……(10)誤った見解ある者として〔世に〕有ります。彼は、あるいは、沙門に、あるいは、婆羅門に、食べ物を、飲み物を、衣装を、乗物を、花飾と香料と塗料を、臥所と住所と灯具を、施す者として〔世に〕有ります。彼は、身体の破壊ののち、死後において、馬たちの同類として再生します。……略……牛たちの同類として再生します。……略……犬たちの同類として再生します。彼は、そこにおいて、食べ物の、飲み物の、花飾と種々なる外装品の、得者として〔世に〕有ります。
婆羅門よ、すなわち、まさに、ここに、命あるものを殺す者であり……略……誤った見解ある者であることで、それによって、彼は、身体の破壊ののち、死後において、犬たちの同類として再生します。さらに、すなわち、まさに、彼が、あるいは、沙門に、あるいは、婆羅門に、食べ物を、飲み物を、衣装を、乗物を、花飾と香料と塗料を、臥所と住所と灯具を、施す者として〔世に〕有ることで、それによって、彼は、そこにおいて、食べ物の、飲み物の、花飾と種々なる外装品の、得者として〔世に〕有ります。
婆羅門よ、また、ここに、一部の者は、(1)命あるものを殺すことから離間した者として〔世に〕有り……略……(10)正しい見解ある者として〔世に〕有ります。彼は、身体の破壊ののち、死後において、人間たちの同類として再生します。彼は、あるいは、沙門に、あるいは、婆羅門に、食べ物を、飲み物を、衣装を、乗物を、花飾と香料と塗料を、臥所と住所と灯具を、施す者として〔世に〕有ります。彼は、身体の破壊ののち、死後において、人間たちの同類として再生します。彼は、そこにおいて、人間のものとしてある、五つの欲望の属性(五妙欲)の、得者として〔世に〕有ります。
婆羅門よ、すなわち、まさに、ここに、命あるものを殺すことから離間した者として〔世に〕有り……略……正しい見解ある者として〔世に有ることで〕、それによって、彼は、身体の破壊ののち、死後において、人間たちの同類として再生します。さらに、すなわち、まさに、彼が、あるいは、沙門に、あるいは、婆羅門に、食べ物を、飲み物を、衣装を、乗物を、花飾と香料と塗料を、臥所と住所と灯具を、施す者として〔世に〕有ることで、それによって、彼は、そこにおいて、人間のものとしてある、五つの欲望の属性の、得者として〔世に〕有ります。
婆羅門よ、また、ここに、一部の者は、(1)命あるものを殺すことから離間した者として〔世に〕有り……略……(10)正しい見解ある者として〔世に〕有ります。彼は、身体の破壊ののち、死後において、天〔の神々〕たちの同類として再生します。彼は、あるいは、沙門に、あるいは、婆羅門に、食べ物を、飲み物を、衣装を、乗物を、花飾と香料と塗料を、臥所と住所と灯具を、施す者として〔世に〕有ります。彼は、身体の破壊ののち、死後において、天〔の神々〕たちの同類として再生します。彼は、そこにおいて、天のものとしてある、五つの欲望の属性の、得者として〔世に〕有ります。
婆羅門よ、すなわち、まさに、ここに、命あるものを殺すことから離間した者として〔世に〕有り……略……正しい見解ある者として〔世に有ることで〕、それによって、彼は、身体の破壊ののち、死後において、天〔の神々〕たちの同類として再生します。さらに、すなわち、まさに、彼が、あるいは、沙門に、あるいは、婆羅門に、食べ物を、飲み物を、衣装を、乗物を、花飾と香料と塗料を、臥所と住所と灯具を、施す者として〔世に〕有ることで、それによって、彼は、そこにおいて、天のものとしてある、五つの欲望の属性の、得者として〔世に〕有ります。婆羅門よ、さらに、また、施者もまた、無果ならず」と。
「貴君ゴータマよ、めったにないことです。貴君ゴータマよ、はじめてのことです。貴君ゴータマよ、さてまた、すなわち、これだけで、諸々の布施を施すに十分なるものがあります、諸々の〔死者への〕供え物を作り為すに十分なるものがあります。なぜなら、そこで、まさに、施者もまた、無果ならざるからです」と。「婆羅門よ、このように、このことはあります。婆羅門よ、なぜなら、施者もまた、無果ならざるからです」と。
「貴君ゴータマよ、すばらしいことです。貴君ゴータマよ、すばらしいことです。……略……。貴君ゴータマは、わたしを、在俗信者として認めてください⸺今日以後、命ある限り、帰依所に赴いた者として」と。〔以上が〕第十一となる。
ジャーヌッソーニの章が第二となる。
注釈【0】