翻訳【17】
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〔正しい〕活用の経
或る時のことです。世尊は、サーヴァッティーに住んでおられます。ジェータ林のアナータピンディカ〔長者〕の林園において。そこで、まさに、アナータピンディカ家長が、世尊のおられるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、世尊を敬拝して、一方に坐りました。一方に坐った、まさに、アナータピンディカ家長に、世尊は、こう言いました。「家長よ、五つのものがあります。これらの、諸々の財物の〔正しい〕活用です。どのようなものが、五つのものなのですか。家長よ、ここに、聖なる弟子が、奮起と精進によって到達し、腕の力によって遍く蓄積され、汗が流され、法(正義)にかない、法(正義)によって得た、諸々の財物によって、自己を安楽させ喜悦させ、正しく安楽のうちに守り抜きます。母と父を安楽させ喜悦させ、正しく安楽のうちに守り抜きます。子と妻と奴隷と労夫と下僕たちを安楽させ喜悦させ、正しく安楽のうちに守り抜きます。これは、第一の諸々の財物の〔正しい〕活用です。
家長よ、さらに、また、他に、聖なる弟子が、奮起と精進によって到達し、腕の力によって遍く蓄積され、汗が流され、法(正義)にかない、法(正義)によって得た、諸々の財物によって、朋友や僚友たちを安楽させ喜悦させ、正しく安楽のうちに守り抜きます。これは、第二の諸々の財物の〔正しい〕活用です。
家長よ、さらに、また、他に、聖なる弟子が、奮起と精進によって到達し、腕の力によって遍く蓄積され、汗が流され、法(正義)にかない、法(正義)によって得た、諸々の財物によって⸺すなわち、それらの、あるいは、火からの、あるいは、水からの、あるいは、王からの、あるいは、盗賊からの、あるいは、愛しくない者からの、あるいは、相続者からの、諸々の逆境(収奪の危機)が有るとして、そのような形態の諸々の逆境にたいし、諸々の財物によって⸺防衛のために転起し、安穏なる自己を作り為します。これは、第三の諸々の財物の〔正しい〕活用です。
家長よ、さらに、また、他に、聖なる弟子が、奮起と精進によって到達し、腕の力によって遍く蓄積され、汗が流され、法(正義)にかない、法(正義)によって得た、諸々の財物によって、五つの供物の為し手と成ります。親族への供物であり、客への供物であり、過去の亡者への供物であり、王への供物であり、天神への供物です。これは、第四の諸々の財物の〔正しい〕活用です。
家長よ、さらに、また、他に、聖なる弟子が、奮起と精進によって到達し、腕の力によって遍く蓄積され、汗が流され、法(正義)にかない、法(正義)によって得た、諸々の財物によって⸺すなわち、それらの沙門や婆羅門たちが、驕慢と放逸から離間した者たちであり、忍耐と温和において確立した者たちであり、一つのものとして自己を調御し、一つのものとして自己を平静ならしめ、一つのものとして自己を完全なる涅槃に到達させるなら、そのような形態の沙門や婆羅門たちにたいし施物を確立させます⸺高所に至らせるものとして、天上に至らせるものとして、安楽の報いあるものとして、天上〔への再生〕を等しく転起させるものとして。これは、第五の諸々の財物の〔正しい〕活用です。家長よ、まさに、これらの五つの、諸々の財物の〔正しい〕活用があります。
家長よ、もし、その聖なる弟子が、これらの五つの、諸々の財物の〔正しい〕活用を活用していると、諸々の財物が完全なる滅尽に至るとします。彼に、このような〔思いが〕有ります。『それらが、まさに、諸々の財物の〔正しい〕活用であるなら、そして、わたしは、それらを活用し、そして、わたしの、諸々の財物は完全なる滅尽に至る』と、かくのごとく、彼には、後悔なくあることが有ります。家長よ、もし、その聖なる弟子が、これらの五つの、諸々の財物の〔正しい〕活用を活用していると、諸々の財物が激しく増大するとします。彼に、このような〔思いが〕有ります。『それらが、まさに、諸々の財物の〔正しい〕活用であるなら、そして、わたしは、それらを活用し、そして、わたしの、諸々の財物は激しく増大する』と、かくのごとく、彼には、まさしく、両者ともに、後悔なくあることが有ります」と。
〔そこで、詩偈に言う〕「『諸々の財物は享受され、養われるべき者たちは養われた。諸々の逆境あるときも、わたしによって超え渡るところとなった。高所に至らせる施物は施され、そこで、五つの供物は作り為された。自制ある梵行者たちである、戒ある者たちは奉仕された。
家に居住している賢者が、それを義(目的)として財物を求める、〔まさに〕その義(目的)は、わたしによって至り得るところとなり、悩み苦しむことなく作り為された』〔と〕。
このことを随念しながら、人として、死すべき者なるも、聖なる法(教え)において安立したなら⸺まさしく、この〔世において〕、彼を、〔賢者たちは〕賞賛し⸺〔彼は〕死してのち、天上において歓喜する」と。
〔以上が〕第一となる。
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注釈【0】