或る時のことです。世尊は、ヴェーサーリーに住んでおられます。マハー林の楼閣堂において。そこで、まさに、世尊は、早刻時に、着衣して鉢と衣料を取って、ヴェーサーリー〔の住者〕たるウッガ家長の住居地のあるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、設けられた坐に坐りました。そこで、まさに、ヴェーサーリー〔の住者〕たるウッガ家長が、世尊のおられるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、世尊を敬拝して、一方に坐りました。一方に坐った、まさに、ヴェーサーリー〔の住者〕たるウッガ家長は、世尊に、こう言いました。
「尊き方よ、わたしは、このことを、世尊の、面前で聞き、面前で受けました。『意に適うものを施す者は、意に適うものを〔おのずと〕得る』と。尊き方よ、わたしの意に適うものは、サーラ〔樹〕の花形の固形の食料です。世尊は、わたしの、その〔意に適うもの〕を納受したまえ⸺慈しみ〔の思い〕を抱いて」と。世尊は、慈しみ〔の思い〕を抱いて納受しました。
「尊き方よ、わたしは、このことを、世尊の、面前で聞き、面前で受けました。『意に適うものを施す者は、意に適うものを〔おのずと〕得る』と。尊き方よ、わたしの意に適うものは、棗を添えた豚肉です。世尊は、わたしの、その〔意に適うもの〕を納受したまえ⸺慈しみ〔の思い〕を抱いて」と。世尊は、慈しみ〔の思い〕を抱いて納受しました。
「尊き方よ、わたしは、このことを、世尊の、面前で聞き、面前で受けました。『意に適うものを施す者は、意に適うものを〔おのずと〕得る』と。尊き方よ、わたしの意に適うものは、油で揚げた野菜の茎です。世尊は、わたしの、その〔意に適うもの〕を納受したまえ⸺慈しみ〔の思い〕を抱いて」と。世尊は、慈しみ〔の思い〕を抱いて納受しました。
「尊き方よ、わたしは、このことを、世尊の、面前で聞き、面前で受けました。『意に適うものを施す者は、意に適うものを〔おのずと〕得る』と。尊き方よ、わたしの意に適うものは、黒米を選り分けた諸々の米の飯と幾多の汁と幾多の香味です。世尊は、わたしの、それら〔の意に適うもの〕を納受したまえ⸺慈しみ〔の思い〕を抱いて」と。世尊は、慈しみ〔の思い〕を抱いて納受しました。
「尊き方よ、わたしは、このことを、世尊の、面前で聞き、面前で受けました。『意に適うものを施す者は、意に適うものを〔おのずと〕得る』と。尊き方よ、わたしの意に適うものは、諸々のカーシ産の衣です。世尊は、わたしの、それら〔の意に適うもの〕を納受したまえ⸺慈しみ〔の思い〕を抱いて」と。世尊は、慈しみ〔の思い〕を抱いて納受しました。
「尊き方よ、わたしは、このことを、世尊の、面前で聞き、面前で受けました。『意に適うものを施す者は、意に適うものを〔おのずと〕得る』と。尊き方よ、わたしの意に適うものは、毛布が敷かれ、敷布が敷かれ、綿布が敷かれ、カダリー鹿の最も優れた敷物があり、天蓋を有し、両端には赤い枕がある、寝台です。尊き方よ、しかしながら、また、わたしどももまた、このことを知っています。『世尊にとって、このことは、適確ならず』と。尊き方よ、わたしの、この栴檀の延べ板は、百千〔金〕を超えるものに値します。世尊は、わたしの、その〔栴檀の延べ板〕を納受したまえ⸺慈しみ〔の思い〕を抱いて」と。世尊は、慈しみ〔の思い〕を抱いて納受しました。そこで、まさに、世尊は、ヴェーサーリー〔の住者〕たるウッガ家長に、この随喜するべき〔言葉〕によって随喜しました。
〔そこで、詩偈に言う〕「意に適うものを施す者は、意に適うものを〔おのずと〕得る。彼が、〔心が〕真っすぐと成った者たちに、衣服を、臥具と食べ物と飲み物を、さらに、種々なる流儀の日用品を、欲するままに施すなら⸺
かつまた、捨て放たれたものとして、かつまた、解き放たれたものとして、執持することなく〔施物を施すなら〕⸺阿羅漢たちのことを、田畑の如き者たちと知って、捨て難きものを施捨して、〔まさに〕その、正なる人士は、意に適うものを施す者は、意に適うものを〔おのずと〕得る」と。
そこで、まさに、世尊は、ヴェーサーリー〔の住者〕たるウッガ家長に、この随喜するべき〔言葉〕によって随喜して、坐から立ち上がって、立ち去りました。
そこで、まさに、ヴェーサーリー〔の住者〕たるウッガ家長は、他時にあって、命を終えました。そして、命を終えたヴェーサーリー〔の住者〕たるウッガ家長は、或るどこかの意に適う〔天の〕身体に再生しました。また、まさに、その時点にあって、世尊は、サーヴァッティーに住んでおられます。ジェータ林のアナータピンディカ〔長者〕の林園において。そこで、まさに、ウッガ天子が、夜が更けると、見事な色艶となり、全面あまねくジェータ林を照らして、世尊のおられるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、世尊を敬拝して、一方に立ちました。一方に立った、まさに、ウッガ天子に、世尊は、こう言いました。「ウッガよ、どうでしょう、あなたの志向するとおりですか」と。「世尊よ、たしかに、わたしの志向するとおりです」と。そこで、まさに、世尊は、ウッガ天子に、諸々の詩偈をもって語りかけました。
〔そこで、詩偈に言う〕「意に適うものを施す者は、意に適うものを〔おのずと〕得る。至高のものを施す者は、さらなる至高のものを〔おのずと〕得る。優れたものを施す者は、優れたものを得る者と成る。最勝のものを施す者は、最勝の境位へと近しく至る。
すなわち、至高のものを施す者であり、優れたものを施す者であるなら、さらに、すなわち、最勝のものを施す者であるなら、〔その〕人は、再生する、その場その場において、長寿の者と〔成り〕、福徳ある者と成る」と。
〔以上が〕第四となる。
注釈【0】