このように、わたしは聞きました。或る時のことです。世尊は、ラージャガハ(王舎城)に住んでおられます。ギッジャクータ山(霊鷲山)において。また、まさに、その時点にあって、ヴェーデーヒーの子であるマガダ〔国〕のアジャータサットゥ王は、ヴァッジー〔国〕を攻めることを欲し、〔世に〕有ります。彼は、このように言いました。「まさに、わたしは、これらの、このように大いなる栄光ある者たちであり、このように大いなる威力ある者たちである、ヴァッジー〔国〕の者たちを断絶するのだ。ヴァッジー〔国〕の者たちを無きものとするのだ。ヴァッジー〔国〕の者たちに、不幸と災厄を惹起させるのだ」と。
そこで、まさに、ヴェーデーヒーの子であるマガダ〔国〕のアジャータサットゥ王は、マガダ〔国〕の大臣であるヴァッサカーラ婆羅門に告げました。「婆羅門よ、さあ、あなたは、世尊のおられるところに、そこへと近づいて行きなさい。近づいて行って、わたしの言葉でもって、世尊の〔両の〕足に、頭をもって敬拝しなさい。病苦少なく、病悩少なく、軽快の状況にあり、活力があり、平穏の住があるかを尋ねなさい。『尊き方よ、ヴェーデーヒーの子であるマガダ〔国〕のアジャータサットゥ王は、世尊の〔両の〕足に、頭をもって敬拝します。病苦少なく、病悩少なく、軽快の状況にあり、活力があり、平穏の住があるかを尋ねます』と。さらに、このように説きなさい。『尊き方よ、ヴェーデーヒーの子であるマガダ〔国〕のアジャータサットゥ王は、ヴァッジー〔国〕を攻めることを欲しています。彼は、このように言いました。「まさに、わたしは、これらの、このように大いなる栄光ある者たちであり、このように大いなる威力ある者たちである、ヴァッジー〔国〕の者たちを断絶するのだ。ヴァッジー〔国〕の者たちを無きものとするのだ。ヴァッジー〔国〕の者たちに、不幸と災厄を惹起させるのだ」』と。すなわち、世尊が、あなたに説き明かすとおりに、それを、善くしっかりと収め取って、わたしに告げるがよい。なぜなら、如来たちは、真実を離れることを話さないからだ」と。
「君よ、わかりました」と、まさに、マガダ〔国〕の大臣であるヴァッサカーラ婆羅門は、ヴェーデーヒーの子であるマガダ〔国〕のアジャータサットゥ王に答えて、世尊のおられるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、世尊を相手に共に挨拶しました。共に挨拶し記憶されるべき話を交わして、一方に坐りました。一方に坐った、まさに、マガダ〔国〕の大臣であるヴァッサカーラ婆羅門は、世尊に、こう言いました。「貴君ゴータマよ、ヴェーデーヒーの子であるマガダ〔国〕のアジャータサットゥ王は、貴君ゴータマの〔両の〕足に、頭をもって敬拝します。病苦少なく、病悩少なく、軽快の状況にあり、活力があり、平穏の住があるかを尋ねます。貴君ゴータマよ、ヴェーデーヒーの子であるマガダ〔国〕のアジャータサットゥ王は、ヴァッジー〔国〕を攻めることを欲しています。彼は、このように言いました。『まさに、わたしは、これらの、このように大いなる栄光ある者たちであり、このように大いなる威力ある者たちである、ヴァッジー〔国〕の者たちを断絶するのだ。ヴァッジー〔国〕の者たちを無きものとするのだ。ヴァッジー〔国〕の者たちに、不幸と災厄を惹起させるのだ』」と。
また、まさに、その時点にあって、尊者アーナンダは、世尊の背後に立った状態でいます⸺世尊を扇ぎながら。そこで、まさに、世尊は、尊者アーナンダに告げました。「アーナンダよ、どうでしょう、かくのごとく、あなたは聞きましたか。『ヴァッジー〔国〕の者たちは、〔合議のために〕幾度となく集まる者たちであり、〔合議のために〕多く集まる者たちである』」と。「尊き方よ、このことを、わたしは聞きました。『ヴァッジー〔国〕の者たちは、〔合議のために〕幾度となく集まる者たちであり、〔合議のために〕多く集まる者たちである』」と。「アーナンダよ、さてまた、何はともあれ、ヴァッジー〔国〕の者たちが、〔合議のために〕幾度となく集まる者たちであり、〔合議のために〕多く集まる者たちとして〔世に〕有るあいだは、アーナンダよ、ヴァッジー〔国〕の者たちには、まさしく、増大が待っています⸺遍き衰退ではなく。
アーナンダよ、どうでしょう、かくのごとく、あなたは聞きましたか。『ヴァッジー〔国〕の者たちは、和合の者たちとして集まり、和合の者たちとして立ち上がり、和合の者たちとして諸々のヴァッジー〔国〕の為すべきことを為す』」と。「尊き方よ、このことを、わたしは聞きました。『ヴァッジー〔国〕の者たちは、和合の者たちとして集まり、和合の者たちとして立ち上がり、和合の者たちとして諸々のヴァッジー〔国〕の為すべきことを為す』」と。「アーナンダよ、さてまた、何はともあれ、ヴァッジー〔国〕の者たちが、和合の者たちとして集まり、和合の者たちとして立ち上がり、和合の者たちとして諸々のヴァッジー〔国〕の為すべきことを為すあいだは、アーナンダよ、ヴァッジー〔国〕の者たちには、まさしく、増大が待っています⸺遍き衰退ではなく。
アーナンダよ、どうでしょう、かくのごとく、あなたは聞きましたか。『ヴァッジー〔国〕の者たちは、制定されていないものを制定せず、制定されたものを断絶せず、過去に制定されたとおりの諸々のヴァッジー〔国〕の法(性質)を受持して行持する』」と。「尊き方よ、このことを、わたしは聞きました。『ヴァッジー〔国〕の者たちは、制定されていないものを制定せず、制定されたものを断絶せず、過去に制定されたとおりの諸々のヴァッジー〔国〕の法(性質)を受持して行持する』」と。「アーナンダよ、さてまた、何はともあれ、ヴァッジー〔国〕の者たちが、制定されていないものを制定せず、制定されたものを断絶せず、過去に制定されたとおりの諸々のヴァッジー〔国〕の法(性質)を受持して行持するあいだは、アーナンダよ、ヴァッジー〔国〕の者たちには、まさしく、増大が待っています⸺遍き衰退ではなく。
アーナンダよ、どうでしょう、かくのごとく、あなたは聞きましたか。『ヴァッジー〔国〕の者たちは、すなわち、それらの者たちが、ヴァッジー〔国〕の者たちにとって、ヴァッジー〔国〕の老練の者たちであるなら、彼らを、尊敬し、尊重し、思慕し、供養し、そして、彼らの〔言葉を〕聞くべきと思い考える』」と。「尊き方よ、このことを、わたしは聞きました。『ヴァッジー〔国〕の者たちは、すなわち、それらの者たちが、ヴァッジー〔国〕の者たちにとって、ヴァッジー〔国〕の老練の者たちであるなら、彼らを、尊敬し、尊重し、思慕し、供養し、そして、彼らの〔言葉を〕聞くべきと思い考える』」と。「アーナンダよ、さてまた、何はともあれ、ヴァッジー〔国〕の者たちが、すなわち、それらの者たちが、ヴァッジー〔国〕の者たちにとって、ヴァッジー〔国〕の老練の者たちであるなら、彼らを、尊敬し、尊重し、思慕し、供養し、そして、彼らの〔言葉を〕聞くべきと思い考えるあいだは、アーナンダよ、ヴァッジー〔国〕の者たちには、まさしく、増大が待っています⸺遍き衰退ではなく。
アーナンダよ、どうでしょう、かくのごとく、あなたは聞きましたか。『ヴァッジー〔国〕の者たちは、すなわち、それらの者たちが、良家の婦女たちであり、良家の少女たちであるなら、彼女たちを、〔親元から〕引き離して、無理やり〔自家に〕居住させない』」と。「尊き方よ、このことを、わたしは聞きました。『ヴァッジー〔国〕の者たちは、すなわち、それらの者たちが、良家の婦女たちであり、良家の少女たちであるなら、彼女たちを、〔親元から〕引き離して、無理やり〔自家に〕居住させない』」と。「アーナンダよ、さてまた、何はともあれ、ヴァッジー〔国〕の者たちが、すなわち、それらの者たちが、良家の婦女たちであり、良家の少女たちであるなら、彼女たちを、〔親元から〕引き離して、無理やり〔自家に〕居住させないあいだは、アーナンダよ、ヴァッジー〔国〕の者たちには、まさしく、増大が待っています⸺遍き衰退ではなく。
アーナンダよ、どうでしょう、かくのごとく、あなたは聞きましたか。『ヴァッジー〔国〕の者たちは、すなわち、それらのものが、ヴァッジー〔国〕の者たちにとって、ヴァッジー〔国〕の塔廟であるなら、まさしく、そして、内にあるものも、さらに、外にあるものも、それらを、尊敬し、尊重し、思慕し、供養し、そして、それらに、過去に施され、過去に為された、法(正義)にかなう供物を遍く衰退させない』」と。「尊き方よ、このことを、わたしは聞きました。『ヴァッジー〔国〕の者たちは、すなわち、それらのものが、ヴァッジー〔国〕の者たちにとって、ヴァッジー〔国〕の塔廟であるなら、まさしく、そして、内にあるものも、さらに、外にあるものも、それらを、尊敬し、尊重し、思慕し、供養し、そして、それらに、過去に施され、過去に為された、法(正義)にかなう供物を遍く衰退させない』」と。「アーナンダよ、さてまた、何はともあれ、ヴァッジー〔国〕の者たちが、すなわち、それらのものが、ヴァッジー〔国〕の者たちにとって、ヴァッジー〔国〕の塔廟であるなら、まさしく、そして、内にあるものも、さらに、外にあるものも、それらを、尊敬し、尊重し、思慕し、供養し、そして、それらに、過去に施され、過去に為された、法(正義)にかなう供物を遍く衰退させないあいだは、アーナンダよ、ヴァッジー〔国〕の者たちには、まさしく、増大が待っています⸺遍き衰退ではなく。
アーナンダよ、どうでしょう、かくのごとく、あなたは聞きましたか。『ヴァッジー〔国〕の者たちに、阿羅漢たちにたいする法(正義)にかなう守護と防護と保護が、善く差配されたものとして有る。「どうであろう、かくのごとく、かつまた、〔いまだ〕到来していない阿羅漢たちが領土に到来し、かつまた、〔すでに〕到来している阿羅漢たちが領土において平穏のうちに〔世に〕住むであろうか」』」と。「尊き方よ、このことを、わたしは聞きました。『ヴァッジー〔国〕の者たちに、阿羅漢たちにたいする法(正義)にかなう守護と防護と保護が、善く差配されたものとして有る。「どうであろう、かくのごとく、かつまた、〔いまだ〕到来していない阿羅漢たちが領土に到来し、かつまた、〔すでに〕到来している阿羅漢たちが領土において平穏のうちに〔世に〕住むであろうか」』」と。「アーナンダよ、ヴァッジー〔国〕の者たちに、阿羅漢たちにたいする法(正義)にかなう守護と防護と保護が、善く差配されたものとして有るあいだは、『どうであろう、かくのごとく、かつまた、〔いまだ〕到来していない阿羅漢たちが領土に到来し、かつまた、〔すでに〕到来している阿羅漢たちが領土において平穏のうちに〔世に〕住むであろうか』と、アーナンダよ、ヴァッジー〔国〕の者たちには、まさしく、増大が待っています⸺遍き衰退ではなく」と。
そこで、まさに、世尊は、マガダ〔国〕の大臣であるヴァッサカーラ婆羅門に告げました。「婆羅門よ、これは、或る時のことです。わたしは、ヴェーサーリーに住んでいます。サーランダダ塔廟において。婆羅門よ、そこで、わたしは、ヴァッジー〔族〕の者たちに、これらの七つの遍き衰退とならない法(性質)を説示しました。婆羅門よ、さてまた、何はともあれ、これらの七つの遍き衰退とならない法(性質)が、ヴァッジー〔国〕の者たちにおいて止住し、そして、これらの七つの遍き衰退とならない法(性質)において、ヴァッジー〔国〕の者たちが現見されるあいだは、婆羅門よ、ヴァッジー〔国〕の者たちには、まさしく、増大が待っています⸺遍き衰退ではなく」と。
「貴君ゴータマよ、たとえ、一つ一つの遍き衰退とならない法(性質)であれ、〔それを〕具備しているなら、ヴァッジー〔国〕の者たちには、まさしく、増大が待っています⸺遍き衰退ではなく。七つの遍き衰退とならない法(性質)を〔具備しているなら〕、また、何の論があるというのでしょう。貴君ゴータマよ、そして、ヴェーデーヒーの子であるマガダ〔国〕のアジャータサットゥ王が、ヴァッジー〔国〕の者たちに為すべきことはありません⸺すなわち、この、戦いのための、懐柔より他には、内部分裂より他には。貴君ゴータマよ、さあ、では、今や、わたしたちは赴きます。わたしたちは、多くの義務があり、多くの用事があるのです」と。「婆羅門よ、今が、そのための時と、あなたが思うのなら〔思いのままに〕」と。そこで、まさに、マガダ〔国〕の大臣であるヴァッサカーラ婆羅門は、世尊の語ったことを大いに喜んで、随喜して、坐から立ち上がって、立ち去った、ということです。〔以上が〕第二となる。
注釈【0】