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翻訳【16】

恐怖の経

「比丘たちよ、『恐怖』とは、これは、諸々の欲望〔の対象〕の同義語です。比丘たちよ、『苦痛』とは、これは、諸々の欲望〔の対象〕の同義語です。比丘たちよ、『病』とは、これは、諸々の欲望〔の対象〕の同義語です。比丘たちよ、『腫物』とは、これは、諸々の欲望〔の対象〕の同義語です。比丘たちよ、『矢』とは、これは、諸々の欲望〔の対象〕の同義語です。比丘たちよ、『執着』とは、これは、諸々の欲望〔の対象〕の同義語です。比丘たちよ、『汚泥』とは、これは、諸々の欲望〔の対象〕の同義語です。比丘たちよ、『胎』とは、これは、諸々の欲望〔の対象〕の同義語です。比丘たちよ、では、何ゆえに、『恐怖』とは、これは、諸々の欲望〔の対象〕の同義語なのですか。比丘たちよ、そして、すなわち、欲望〔の対象〕にたいする貪り〔の思い〕に染まり、欲〔の思い〕と貪り〔の思い〕に結縛された、この者は、所見の法(現世)としての恐怖からもまた完全に解き放たれず、未来のものとしての恐怖からもまた完全に解き放たれないことから、それゆえに、『恐怖』とは、これは、諸々の欲望〔の対象〕の同義語です。比丘たちよ、では、何ゆえに、『苦痛』とは……略……『病』とは……『腫物』とは……『矢』とは……『執着』とは……『汚泥』とは、『胎』とは、これは、諸々の欲望〔の対象〕の同義語なのですか。比丘たちよ、そして、すなわち、欲望〔の対象〕にたいする貪り〔の思い〕に染まり、欲〔の思い〕と貪り〔の思い〕に結縛された、この者は、所見の法(現世)としての胎からもまた完全に解き放たれず、未来のものとしての胎からもまた完全に解き放たれないことから、それゆえに、『胎』とは、これは、諸々の欲望〔の対象〕の同義語です。

〔そこで、詩偈に言う〕「恐怖、そして、苦痛、そして、病、腫物、そして、矢、そして、執着、汚泥、さらに、同様に、胎⸺そこにおいて、〔迷える〕凡夫が執着している、これらのものは、諸々の欲望〔の対象〕と呼ばれる。

快なる形態によって〔心を奪われ、これらのうちに〕沈んだ者は、ふたたび、〔母の〕胎に赴く。しかしながら、すなわち、比丘が熱情ある者であり、正知が遠ざからないことから⸺

彼は、この障害たる難所を超え行って、そのような種類の者は、生と老に近しく至り〔恐怖に〕震えおののいている人々を、〔あるがままに〕注視する」と。

〔以上が〕第六となる。

注釈【0】