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翻訳【32】

地獄の章

事実ならざることを説く者は、地獄に近づく。あるいは、また、彼が、為して〔そののち〕、さらに、「〔わたしは〕為さない」〔と〕言うなら、〔彼もまた、地獄に近づく〕。両者ともどもに、彼らは、下劣な行為の人間たちとして、死してのち、他所(来世)において、等しき者たちと成る。

黄褐色〔の衣〕袈裟)を首にしながら、自制なく悪しき法(性質)の者たちが多くいる。悪しき者たちは、彼らは、〔自己の為した〕諸々の悪しき行為( 悪業)によって、地獄に再生する。

すなわち、もし、自制なき劣戒の者が、国人による〔行乞の〕食を受けるなら、熱せられた、火炎の如き鉄の玉を食べたほうが、より勝っている(悪業を作って地獄に落ちるよりはまだましである)

〔気づきを〕怠り、他者の妻に近しく慣れ親しむ人は、四つの状況を惹起する。〔すなわち〕善ならざる利得(悪しき報い)あること、欲するままに臥せないこと、第三に、非難〔を受けること〕、第四に、地獄〔に落ちること〕である。

そして、〔男は〕善ならざる利得ある者となり、かつまた、〔女は〕悪しき境遇ある者となる。恐怖する〔男〕に、恐怖する〔女〕に、そして、歓楽はごく僅か。かつまた、王は、重き棒(罰)を課す。それゆえに、人は、他者の妻とは慣れ親しまぬがよい。

あたかも、誤って掴んだ茅〔の葉〕が、まさしく、手を傷つけるように、誤って偏執された沙門の資質は、〔沙門その人を〕地獄へと引きずり込む。

それが何であれ、緩慢な行為であるなら、さらに、それが、汚染された掟であり、疑いある梵行(禁欲清浄行)であるなら、それは、大いなる果と成らない。

もし、為すべきなら、これを為し、断固として、これに勤しむがよい。なぜなら、緩慢な遍歴遊行者は、より一層、塵を撒き散らすからである。

悪行は、〔為すよりは〕為さずにいたほうが、より勝っている。〔為したその〕悪行が、のちに悩み苦しめる〔からである〕。そして、善行は、〔為さずにいるよりは〕為したほうが、より勝っている。それを為して悩み苦しまない〔からである〕

あたかも、辺境にある、内外共に保護された城市のように、このように、自己を保護するがよい。〔この〕瞬間が、あなたたちを過ぎ行くことがあってはならない(瞬時でさえも、虚しく過ごしてはならない)。なぜなら、〔この〕瞬間を〔虚しく〕過ごした者たちは、地獄に引き渡され、憂い悲しむからである。

〔彼らは〕恥ずべきではないところで恥じ、恥ずべきところで恥じない⸺誤った見解(邪見 )を受持しながら、〔迷いの〕有情たちは、悪しき境遇( 悪趣 )に赴く。

恐怖なきところで恐怖を見る者たち、さらに、恐怖あるところで恐怖を見ない者たち⸺誤った見解を受持しながら、〔迷いの〕有情たちは、悪しき境遇に赴く。

罪過なきものについて「罪過あり」と思い、さらに、罪過あるものについて「罪過なし」と見る者たち⸺誤った見解を受持しながら、〔迷いの〕有情たちは、悪しき境遇に赴く。

しかしながら、罪過あるものを「罪過あり」と知って、さらに、罪過なきものを「罪過なし」と〔見る者たち〕⸺正しい見解( 正見)を受持しながら、〔迷いなき〕有情たちは、善き境遇(善趣 )に赴く。

地獄の章が第二十二となり、〔以上で〕終了となる。

注釈【0】