読み込み中

翻訳【19】

デーヴァダッタの経

まさに、このことが、世尊によって説かれ、阿羅漢によって説かれ、かくのごとく、わたしは聞きました。

「比丘たちよ、三つの正ならざる法(性質)に征服され、心が完全に奪い去られたデーヴァダッタ提婆達多・調天:ブッダを裏切りサンガを分裂させた)は、悪所にある者であり、地獄にある者であり、カッパ:時間の単位・極めて長い時間)のあいだ〔地獄に〕止住する者であり(一劫のあいだ地獄に住む)、治癒なき者です。どのようなものが、三つのものなのですか。比丘たちよ、悪しき欲求あることに征服され、心が完全に奪い去られたデーヴァダッタは、悪所にある者であり、地獄にある者であり、カッパのあいだ〔地獄に〕止住する者であり、治癒なき者です。比丘たちよ、悪しき朋友あることに征服され、心が完全に奪い去られたデーヴァダッタは、悪所にある者であり、地獄にある者であり、カッパのあいだ〔地獄に〕止住する者であり、治癒なき者です。また、まさに、より上なる為すべきことが存しているのに、ほんの些細な殊勝〔の境地〕の到達によって、中途において完成〔の思い〕を惹起しました。比丘たちよ、まさに、これらの三つの正ならざる法(性質)に征服され、心が完全に奪い去られたデーヴァダッタは、悪所にある者であり、地獄にある者であり、カッパのあいだ〔地獄に〕止住する者であり、治癒なき者です」と、この義(道理)を、世尊は説きました。そこにおいて、このことは、かくのごとく説かれます。

「誰であれ、世において、悪しき欲求ある者として、けっして、生起してはならない。悪しき欲求ある者たちの、〔赴く〕境遇のとおりに、それを、このことによってもまた、知りなさい。

〔すなわち〕『賢者』と呼称され、『自己を修めた者』と思認され、『デーヴァダッタ(調天)』として〔世に〕聞こえた者は、〔その〕盛名によって、燃え盛る〔炎〕のように、〔世に〕止住した。

(デーヴァダッタ)は、〔覚者と〕同等に歩む者として、如来である彼(ブッダ)を襲って、四つの門ある恐怖の無間地獄に至り得たのだ。

まさに、彼が、悪しき行為悪業を為さずにいる汚れなき者を裏切るなら、まさしく、彼に、悪〔の報い〕が触れる⸺汚れた心の者に、礼を欠く者に。

彼が、毒の瓶で、海を汚そうと思うも、彼は、それによって、〔海を〕汚すことはできない。なぜなら、海は、恐ろしく大きいからである。

まさしく、このように、彼が、〔悪しき〕論によって、如来を害するも⸺正しき至達者にして、心が寂静となった者を〔害するも〕⸺彼(如来)においては、〔その〕論が成長することはない。

賢者は、そのような者(如来)を、朋友と為すべきであり、そして、彼と慣れ親しむべきである。彼の道に従い行く比丘は、苦しみの滅尽に至り得るであろう」と。

この義(道理)もまた、世尊によって説かれ、かくのごとく、わたしは聞きました。ということで、〔以上が〕第十となる。

第四の章は〔以上で〕終了となる。

その〔章〕のための摂頌となる。

〔そこで、詩偈に言う〕「思考と尊敬と声(天〔の神〕の声)、死滅(五つの前兆)と世(多くの人々の利益)、不浄(不浄の随観ある者)、法(法を法のままに実践する者)と盲者を作り為すものと垢(内なる垢)があり、デーヴァダッタとともに、それらの十がある」と。

注釈【1】