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翻訳【26】

ガティカーラの経

このように、わたしは聞きました。或る時のことです。世尊は、コーサラ〔国〕において、大いなる比丘の僧団と共に、遊行〔の旅〕を歩んでおられます。そこで、まさに、世尊は、道から外れて、或るどこかの地域において、笑みを浮かべました。そこで、まさに、尊者アーナンダに、この〔思い〕が有りました。「世尊の笑みの表明には、いったい、まさに、どのような因があり、どのような縁があるのだろう。契機なしに、如来たちが笑みを浮かべることはない」と。そこで、まさに、尊者アーナンダは、一つの肩に衣料を掛けて、世尊のおられるところに、そこへと合掌を手向けて、世尊に、こう言いました。「尊き方よ、世尊の笑みの表明には、いったい、まさに、どのような因があり、どのような縁があるのですか。契機なしに、如来たちが笑みを浮かべることはありません」と。「アーナンダよ、過去の事(過去世)ですが、この地域において、ヴェーガリンガという名の集落が有りました——まさしく、そして、繁栄し、さらに、興隆し、多くの人々がいて、人間たちで満ち溢れる〔集落〕が。アーナンダよ、まさに、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊は、ヴェーガリンガの集落に近しく依拠して〔世に〕住みました。アーナンダよ、ここに、まさに、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊の林園が有りました。アーナンダよ、ここに、まさに、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊は坐った者となり、比丘の僧団に教諭します」と。そこで、まさに、尊者アーナンダは、四重に大衣を設けて、世尊に、こう言いました。「尊き方よ、まさに、それでは、世尊は、ここにおいて坐りたまえ。この土地の地域は、二者の阿羅漢にして正等覚者によって遍く受益するところと成るでしょう」と。世尊は、設けられた坐に坐りました。坐って、まさに、世尊は、尊者アーナンダに告げました。

「アーナンダよ、過去の事ですが、この地域において、ヴェーガリンガという名の集落が有りました——まさしく、そして、繁栄し、さらに、興隆し、多くの人々がいて、人間たちで満ち溢れる〔集落〕が。アーナンダよ、まさに、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊は、ヴェーガリンガ集落に近しく依拠して〔世に〕住みました。アーナンダよ、ここに、まさに、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊の林園が有りました。アーナンダよ、ここに、まさに、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊は坐った者となり、比丘の僧団に教諭します。

アーナンダよ、まさに、ヴェーガリンガの集落において、ガティカーラという名の陶工が、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊の、奉仕者として、至高の奉仕者として、〔世に〕有りました。アーナンダよ、まさに、ガティカーラ陶工には、ジョーティパーラという名の学徒が、道友として、愛しい同友として、〔世に〕有りました。アーナンダよ、そこで、まさに、ガティカーラ陶工は、ジョーティパーラ学徒に告げました。『友よ、ジョーティパーラよ、行きましょう。阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊と会見するために近づいて行くのです。なぜなら、わたしにとって、彼と、阿羅漢にして正等覚者たる世尊と会見することは、善きことと等しく思い考えられたからです』と。アーナンダよ、このように説かれたとき、ジョーティパーラ学徒は、ガティカーラ陶工に、こう言いました。『友よ、ガティカーラよ、十分です。また、何だというのでしょう、その坊主頭の似非沙門と会見したとして』と。アーナンダよ、再度また、まさに……略……。アーナンダよ、三度また、まさに、ガティカーラ陶工は、ジョーティパーラ学徒に、こう言いました。『友よ、ジョーティパーラよ、行きましょう。阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊と会見するために近づいて行くのです。なぜなら、わたしにとって、彼と、阿羅漢にして正等覚者たる世尊と会見することは、善きことと等しく思い考えられたからです』と。アーナンダよ、三度また、まさに、ジョーティパーラ学徒は、ガティカーラ陶工に、こう言いました。『友よ、ガティカーラよ、十分です。また、何だというのでしょう、その坊主頭の似非沙門と会見したとして』と。『友よ、ジョーティパーラよ、まさに、それでは、洗具と洗粉を携えて、沐浴するために川に赴きましょう』と。アーナンダよ、『友よ、わかりました』と、まさに、ジョーティパーラ学徒は、ガティカーラ陶工に答えました。アーナンダよ、そこで、まさに、かつまた、ガティカーラ陶工は、かつまた、ジョーティパーラ学徒は、洗具と洗粉を携えて、沐浴するために川に赴きました。

アーナンダよ、そこで、まさに、ガティカーラ陶工は、ジョーティパーラ学徒に告げました。『友よ、ジョーティパーラよ、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊の、この林園は、遠く離れていないところにあります。友よ、ジョーティパーラよ、行きましょう。阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊と会見するために近づいて行くのです。なぜなら、わたしにとって、彼と、阿羅漢にして正等覚者たる世尊と会見することは、善きことと等しく思い考えられたからです』と。アーナンダよ、このように説かれたとき、ジョーティパーラ学徒は、ガティカーラ陶工に、こう言いました。『友よ、ガティカーラよ、十分です。また、何だというのでしょう、その坊主頭の似非沙門と会見したとして』と。アーナンダよ、再度また、まさに……略……。アーナンダよ、三度また、まさに、ガティカーラ陶工は、ジョーティパーラ学徒に告げました。『友よ、ジョーティパーラよ、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊の、この林園は、遠く離れていないところにあります。友よ、ジョーティパーラよ、行きましょう。阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊と会見するために近づいて行くのです。なぜなら、わたしにとって、彼と、阿羅漢にして正等覚者たる世尊と会見することは、善きことと等しく思い考えられたからです』と。アーナンダよ、三度また、まさに、ジョーティパーラ学徒は、ガティカーラ陶工に、こう言いました。『友よ、ガティカーラよ、十分です。また、何だというのでしょう、その坊主頭の似非沙門と会見したとして』と。アーナンダよ、そこで、まさに、ガティカーラ陶工は、ジョーティパーラ学徒の帯を捉えて、こう言いました。『友よ、ジョーティパーラよ、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊の、この林園は、遠く離れていないところにあります。友よ、ジョーティパーラよ、行きましょう。阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊と会見するために近づいて行くのです。なぜなら、わたしにとって、彼と、阿羅漢にして正等覚者たる世尊と会見することは、善きことと等しく思い考えられたからです』と。アーナンダよ、そこで、まさに、ジョーティパーラ学徒は、帯を引き戻して、ガティカーラ陶工に、こう言いました。『友よ、ガティカーラよ、十分です。また、何だというのでしょう、その坊主頭の似非沙門と会見したとして』と。アーナンダよ、そこで、まさに、ガティカーラ陶工は、ジョーティパーラ学徒の沐浴した頭の諸々の髪を捉えて、こう言いました。『友よ、ジョーティパーラよ、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊の、この林園は、遠く離れていないところにあります。友よ、ジョーティパーラよ、行きましょう。阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊と会見するために近づいて行くのです。なぜなら、わたしにとって、彼と、阿羅漢にして正等覚者たる世尊と会見することは、善きことと等しく思い考えられたからです』と。アーナンダよ、そこで、まさに、ジョーティパーラ学徒に、この〔思い〕が有りました。『ああ、まさに、めったにないことだ。ああ、まさに、はじめてのことだ。なぜなら、そこで、まさに、このガティカーラ陶工が、些末な生まれの者として〔世に〕存していながら、わたしたちの沐浴した頭の諸々の髪を捉えるべきと思い考えるとは。まさに、これは、思うに、どうやら、低劣なものが有るのではないらしい』と。〔彼は〕ガティカーラ陶工に、こう言いました。『友よ、ガティカーラよ、まさに、また、それほどまでのものなのですか』と。『友よ、ジョーティパーラよ、まさに、また、それほどまでのものなのです。また、なぜなら、そのように、わたしにとって、彼と、阿羅漢にして正等覚者たる世尊と会見することは、善きことと等しく思い考えられたからです』と。『友よ、ガティカーラよ、まさに、それでは、解き放ちたまえ。〔では〕赴きましょう』と。

アーナンダよ、そこで、まさに、かつまた、ガティカーラ陶工は、かつまた、ジョーティパーラ学徒は、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊のいるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、ガティカーラ陶工は、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊を敬拝して、一方に坐りました。いっぽう、ジョーティパーラ学徒は、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊を相手に共に挨拶しました。共に挨拶し記憶されるべき話を交わして、一方に坐りました。アーナンダよ、一方に坐った、まさに、ガティカーラ陶工は、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊に、こう言いました。『尊き方よ、わたしにとって、この者は、ジョーティパーラ学徒は、道友であり、愛しい同友です。世尊は、この者に、法(教え)を説示してください』と。アーナンダよ、そこで、まさに、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊は、かつまた、ガティカーラ陶工に、かつまた、ジョーティパーラ学徒に、法(教え)の講話によって、〔教えを〕見示し、受持させ、激励し、感動させました。アーナンダよ、そこで、まさに、かつまた、ガティカーラ陶工は、かつまた、ジョーティパーラ学徒は、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊によって、法(教え)の講話によって、〔教えを〕見示され、受持し、激励され、感動し、坐から立ち上がって、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊の語ったことを大いに喜んで、随喜して、坐から立ち上がって、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊を敬拝して、右回り〔の礼〕を為して、立ち去りました。

アーナンダよ、そこで、まさに、ジョーティパーラ学徒は、ガティカーラ陶工に、こう言いました。『友よ、ガティカーラよ、いったい、あなたは、この法(教え)を聞きながら、そこで、また、そして、家から家なきへと出家しないのですか』と。『友よ、ジョーティパーラよ、まさに、〔あなたは〕わたしのことを知っているのではないですか。〔わたしは〕盲目の老いた母と父を養っています』と。『友よ、ガティカーラよ、まさに、それでは、わたしが、家から家なきへと出家しましょう』と。アーナンダよ、そこで、まさに、かつまた、ガティカーラ陶工は、かつまた、ジョーティパーラ学徒は、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊のいるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊を敬拝して、一方に坐りました。アーナンダよ、一方に坐った、まさに、ガティカーラ陶工は、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊に、こう言いました。『尊き方よ、わたしにとって、この者は、ジョーティパーラ学徒は、道友であり、愛しい同友です。世尊は、この者を出家させたまえ』と。アーナンダよ、まさに、ジョーティパーラ学徒は、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊の現前において、出家を得ました——〔戒の〕成就を得ました。

アーナンダよ、そこで、まさに、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊は、〔戒を〕成就したばかりのジョーティパーラ学徒が、〔戒の〕成就から半月となるとき、ヴェーガリンガにおいて、喜びのままに住んで〔そののち〕、バーラーナシー(波羅奈)のあるところに、そこへと遊行〔の旅〕に出ました。順次に遊行〔の旅〕を歩みながら、バーラーナシーのあるところに、そこへと至り着きました。アーナンダよ、そこで、まさに、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊は、バーラーナシーに住んでいます。イシパタナ(仙人堕処)の鹿園(鹿野苑)において。アーナンダよ、まさに、カーシ〔国〕のキキン王は、『どうやら、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊が、バーラーナシーに到着し、バーラーナシーに住んでおられるらしい。イシパタナの鹿園において』と耳にしました。アーナンダよ、そこで、まさに、カーシ〔国〕のキキン王は、諸々の立派なうえにも立派な乗物を設えて、立派な乗物に乗って、諸々の立派なうえにも立派な乗物とともに、バーラーナシーから出発しました——大いなる王の威力をもって、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊と会見するために。およそ、乗物の〔行ける〕地があるかぎり、乗物によって赴いて、乗物から降りて、まさしく、徒歩の者となり、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊のいるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊を敬拝して、一方に坐りました。アーナンダよ、一方に坐った、まさに、カーシ〔国〕のキキン王に、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊は、法(教え)の講話によって、〔教えを〕見示し、受持させ、激励し、感動させました。アーナンダよ、そこで、まさに、カーシ〔国〕のキキン王は、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊によって、法(教え)の講話によって、〔教えを〕見示され、受持し、激励され、感動し、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊に、こう言いました。『尊き方よ、世尊は、比丘の僧団と共に、明日、わたしの食事〔の布施〕をお受けください』と。アーナンダよ、まさに、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊は、沈黙の状態をもって承諾しました。アーナンダよ、そこで、まさに、カーシ〔国〕のキキン王は、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊の承諾を見出して、坐から立ち上がって、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊を敬拝して、右回り〔の礼〕を為して、立ち去りました。アーナンダよ、そこで、まさに、カーシ〔国〕のキキン王は、その夜が明けると、自らの住居地において、上質の固形の食料や軟らかい食料を準備して、特製の黄米の、雑物を取り去った幾多の汁と幾多の香味を〔準備して〕、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊に、〔使いを送って〕時を告げさせました。「尊き方よ、時間です。食事ができました」と。

アーナンダよ、そこで、まさに、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊は、早刻時に、着衣して鉢と衣料を取って、カーシ〔国〕のキキン王の住居地のあるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、比丘の僧団と共に、設けられた坐に坐りました。アーナンダよ、そこで、まさに、カーシ〔国〕のキキン王は、覚者を筆頭とする比丘の僧団を、上質の固形の食料や軟らかい食料で満足させ、自らの手で給仕しました。アーナンダよ、そこで、まさに、カーシ〔国〕のキキン王は、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊が食事を終え、鉢から手を離すと、或るどこかの下坐を収め取って、一方に坐りました。アーナンダよ、一方に坐った、まさに、カーシ〔国〕のキキン王は、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊に、こう言いました。『尊き方よ、世尊は、わたしのために、バーラーナシーにおいて、雨期の居住をお受けください。このような形態の、僧団への奉仕が有るでしょう』と。『大王よ、十分です。わたしによって、雨期の居住は、〔すでに〕承諾されました(先約がある)』と。アーナンダよ、再度また、まさに……略……。アーナンダよ、三度また、まさに、カーシ〔国〕のキキン王は、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊に、こう言いました。『尊き方よ、世尊は、わたしのために、バーラーナシーにおいて、雨期の居住をお受けください。このような形態の、僧団への奉仕が有るでしょう』と。『大王よ、十分です。わたしによって、雨期の居住は、〔すでに〕承諾されました』と。アーナンダよ、そこで、まさに、カーシ〔国〕のキキン王は、『阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊は、わたしのために、バーラーナシーにおいて、雨期の居住をお受けくださらない』と、まさしく、〔心の〕他化が有り、失意が有りました。アーナンダよ、そこで、まさに、カーシ〔国〕のキキン王は、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊に、こう言いました。『いったい、まさに、存在しますか——誰であれ、他に、わたしよりもより奉仕者たる者は』と。

『大王よ、ヴェーガリンガという名の集落が存在します。そこにおいて、ガティカーラという名の陶工がいます。彼は、わたしの、奉仕者であり、至高の奉仕者です。大王よ、また、まさに、あなたには、「阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊は、わたしのために、バーラーナシーにおいて、雨期の居住をお受けくださらない」と、まさしく、〔心の〕他化が存在し、失意が存在します。〔まさに〕その、この〔思い〕は、ガティカーラ陶工に、かつまた、存在せず、かつまた、有ることもないでしょう。大王よ、まさに、ガティカーラ陶工は、覚者を帰依所に赴いた者であり、法(教え)を帰依所に赴いた者であり、僧団を帰依所に赴いた者です。大王よ、まさに、ガティカーラ陶工は、命あるものを殺すことから離間した者であり、与えられていないものを取ることから離間した者であり、諸々の欲望〔の対象〕にたいする誤った行ない(邪淫)から離間した者であり、穀物酒や果実酒や〔他の〕酔わせるものによる放逸の境位から離間した者です。大王よ、まさに、ガティカーラ陶工は、覚者にたいする確固たる清信を具備した者であり、法(教え)にたいする確固たる清信を具備した者であり、僧団にたいする確固たる清信を具備した者であり、聖者たちに愛される諸戒を具備した者です。大王よ、まさに、ガティカーラ陶工は、苦しみについて疑いなき者であり、苦しみの集起について疑いなき者であり、苦しみの止滅について疑いなき者であり、苦しみの止滅に至る〔実践の〕道について疑いなき者です。大王よ、まさに、ガティカーラ陶工は、一食の者であり、梵行者であり、戒ある者であり、善き法(性質)ある者です。大王よ、まさに、ガティカーラ陶工は、宝珠や黄金を捨て置いた者であり、金や銀を離れ去った者です。大王よ、まさに、ガティカーラ陶工は、杵(農具)を置いた者であり、自らの手で、地を掘りません。すなわち、あるいは、破損した堤防〔の土〕が有り、あるいは、鼠の掘り起こし〔の土〕〔有るなら〕、それを、天秤棒で運んで、器を作って、このように言います。「ここにおいて、すなわち、求めるなら、あるいは、諸々の米のおこぼれを〔置いて〕、あるいは、諸々の豆のおこぼれを〔置いて〕、あるいは、諸々の大豆のおこぼれを置いて、すなわち、求めるところの、その〔器〕を持ち帰ってください」と。大王よ、まさに、ガティカーラ陶工は、盲目の老いた母と父を養います。大王よ、まさに、ガティカーラ陶工は、五つの下なる域に束縛するものの完全なる滅尽あることから、化生の者となり、そこにおいて、完全なる涅槃に到達する者となり、その世から戻り来る法(性質)なき者となります。

大王よ、これは、或る時のことです。わたしは、ヴェーガリンガという名の集落に住んでいます。大王よ、そこで、まさに、わたしは、早刻時に、着衣して鉢と衣料を取って、ガティカーラ陶工の母と父のいるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、ガティカーラ陶工の母と父に、こう言いました。「はてさて、いったい、まさに、バッガヴァ(ガティカーラ陶工)は、どうしたのですか、〔どこかに〕赴いたのですか」と。「尊き方よ、まさに、あなたの奉仕者は、出かけたところです。瓶の中から飯を収め取って、釜の中から汁を収め取って、遍く受益してください」と。大王よ、そこで、まさに、わたしは、瓶の中から飯を収め取って、釜の中から汁を収め取って、遍く受益して、坐から立ち上がって、立ち去りました。大王よ、そこで、まさに、ガティカーラ陶工は、母と父のいるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、母と父に、こう言いました。「誰が、瓶の中から飯を収め取って、釜の中から汁を収め取って、遍く受益して、坐から立ち上がって、立ち去ったのですか」と。「息子よ、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊が、瓶の中から飯を収め取って、釜の中から汁を収め取って、遍く受益して、坐から立ち上がって、立ち去ったのです」と。大王よ、そこで、まさに、ガティカーラ陶工に、この〔思いが〕が有りました。「わたしには、諸々の利得がある。まさに、わたしには、善く得られたものがある。すなわち、わたしのことを、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊が、このように大いに信頼してくれたのだ」と。大王よ、そこで、まさに、ガティカーラ陶工には、半月のあいだ、母と父には、七日のあいだ、喜悦と安楽は衰退しませんでした。

大王よ、これは、或る時のことです。わたしは、まさしく、そこにおいて、ヴェーガリンガという名の集落に住んでいます。大王よ、そこで、まさに、わたしは、早刻時に、着衣して鉢と衣料を取って、ガティカーラ陶工の母と父のいるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、ガティカーラ陶工の母と父に、こう言いました。「はてさて、いったい、まさに、バッガヴァは、どうしたのですか、〔どこかに〕赴いたのですか」と。「尊き方よ、まさに、あなたの奉仕者は、出かけたところです。鍋の中から粥を収め取って、釜の中から汁を収め取って、遍く受益してください」と。大王よ、そこで、まさに、わたしは、鍋の中から粥を収め取って、釜の中から汁を収め取って、遍く受益して、坐から立ち上がって、立ち去りました。大王よ、そこで、まさに、ガティカーラ陶工は、母と父のいるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、母と父に、こう言いました。「誰が、鍋の中から粥を収め取って、釜の中から汁を収め取って、遍く受益して、坐から立ち上がって、立ち去ったのですか」と。「息子よ、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊が、鍋の中から粥を収め取って、釜の中から汁を収め取って、遍く受益して、坐から立ち上がって、立ち去ったのです」と。大王よ、そこで、まさに、ガティカーラ陶工に、この〔思いが〕が有りました。「わたしには、諸々の利得がある。まさに、わたしには、善く得られたものがある。すなわち、わたしのことを、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊が、このように大いに信頼してくれたのだ」と。大王よ、そこで、まさに、ガティカーラ陶工には、半月のあいだ、母と父には、七日のあいだ、喜悦と安楽は衰退しませんでした。

大王よ、これは、或る時のことです。わたしは、まさしく、そこにおいて、ヴェーガリンガという名の集落に住んでいます。また、まさに、その時点にあって、小屋に〔雨が〕漏れ入ります。大王よ、そこで、まさに、わたしは、比丘たちに告げました。「比丘たちよ、赴きなさい。ガティカーラ陶工の住居地において、草を見つけてきなさい」と。大王よ、このように説かれたとき、それらの比丘たちは、わたしに、こう言いました。「尊き方よ、まさに、ガティカーラ陶工の住居地において、草は存在しません。しかしながら、まさに、彼の住居において、草の覆いが存在します」と。「比丘たちよ、赴きなさい。ガティカーラ陶工の住居の葺き草を剥ぎ取りなさい」と。大王よ、そこで、まさに、それらの比丘たちは、ガティカーラ陶工の住居の葺き草を剥ぎ取りました。大王よ、そこで、まさに、ガティカーラ陶工の母と父は、それらの比丘たちに、こう言いました。「誰が、住居の葺き草を剥ぎ取るのですか」と。「姉妹よ、比丘たちです。阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊の小屋に〔雨が〕漏れ入ります」と。「尊き方たちよ、お持ち帰りください。幸顔なる方たちよ、お持ち帰りください」と。大王よ、そこで、まさに、ガティカーラ陶工は、母と父のいるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、母と父に、こう言いました。「誰が、住居の葺き草を剥ぎ取ったのですか」と。「息子よ、比丘たちです。阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊の小屋に〔雨が〕漏れ入ります」と。大王よ、そこで、まさに、ガティカーラ陶工に、この〔思いが〕が有りました。「わたしには、諸々の利得がある。まさに、わたしには、善く得られたものがある。すなわち、わたしのことを、阿羅漢にして正等覚者たるカッサパ世尊が、このように大いに信頼してくれたのだ」と。大王よ、そこで、まさに、ガティカーラ陶工には、半月のあいだ、母と父には、七日のあいだ、喜悦と安楽は衰退しませんでした。大王よ、そこで、まさに、住居は、全てにわたり、三月のあいだ、虚空の覆いが止住したのですが、天は、〔雨を〕激しく降らせませんでした。大王よ、そして、このような形態の者として、ガティカーラ陶工はあります」と。「尊き方よ、ガティカーラ陶工には、諸々の利得があります。尊き方よ、まさに、ガティカーラ陶工には、善く得られたものがあります。彼のことを、世尊が、このように大いに信頼したのですから」』と。

アーナンダよ、そこで、まさに、カーシ〔国〕のキキン王は、ガティカーラ陶工に、特製の黄米の五百ばかりの米の積み荷を送りました——そして、それに合っている汁を。アーナンダよ、そこで、まさに、それらの王の家来たちは、近づいて行って、ガティカーラ陶工に、こう言いました。『尊き方よ、まさに、カーシ〔国〕のキキン王によって、これらの特製の黄米の五百ばかりの米の積み荷が送られました——そして、それに合っている汁が。尊き方よ、それらを納受したまえ』と。『王は、まさに、多くの義務があり、多くの用事があります。わたしには、十分です。まさしく、王のために有れ』と。アーナンダよ、また、まさに、あなたに、このような〔思いが〕存するであろうし、存するはずです。『その時点にあって、まちがいなく、〔世尊とは〕他の者が、ジョーティパーラ学徒として〔世に〕有ったのだ』と。アーナンダよ、また、まさに、このことは、このように見るべきではありません。その時点にあって、わたしが、ジョーティパーラ学徒として〔世に〕有ったのです」と。

世尊は、この〔言葉〕を言いました。わが意を得た尊者アーナンダは、世尊の語ったことを大いに喜んだ、ということです。

ガティカーラの経は終了となり、〔以上が〕第一となる。

注釈【4】