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翻訳【16】

サーヌの経

或る時のことです。世尊は、サーヴァッティーに住んでおられます。ジェータ林のアナータピンディカ〔長者〕の林園において。また、まさに、その時点にあって、或るひとりの女性在俗信者の、サーヌという名の子が、夜叉に取り憑かれ、〔世に〕有ります。そこで、まさに、その女性在俗信者は、嘆き悲しみながら、その時に、これらの詩偈を語りました。

〔女性在俗信者が、詩偈に言う〕「『十四日と十五日に、そして、すなわち、半月〔ごと〕の第八日に、さらに、神変月には、八つの支分が見事に備わった⸺

斎戒に入り、彼らが、梵行を歩むなら、夜叉たちは、彼らと遊び戯れない』〔と〕、かくのごとく、わたしは、阿羅漢たちの〔言葉を〕聞いた。今や、今日、〔まさに〕その〔わたし〕は見る。夜叉たちは、サーヌと遊び戯れる」と。

〔夜叉が、詩偈に言う〕「『十四日と十五日に、そして、すなわち、半月〔ごと〕の第八日に、さらに、神変月には、八つの支分が見事に備わった斎戒に入り、彼らが、梵行を歩むなら⸺

夜叉たちは、彼らと遊び戯れない』〔と〕、善きかな、あなたは、阿羅漢たちの〔言葉を〕聞いた。目覚めたサーヌに、〔あなたは〕説くがよい⸺この、夜叉たちの言葉を。『もしくは、公然であろうと、内密であろうと、〔あなたは〕悪しき行為を為してはならない。

そして、それで、もし、〔あなたが〕悪しき行為を〔未来において〕為すであろうなら、あるいは、〔いまここに〕為すなら、たとえ、〔空中に〕跳び上がって逃げようとしても、あなたに、苦しみからの解き放ちは存在しない』」と。

〔目覚めたサーヌが、詩偈に言う〕「母よ、あるいは、死んだ者のことを、〔世の人々は〕泣き叫び、あるいは、彼が生きているとして、見ることができないなら、〔彼のことをもまた泣き叫びます〕。母よ、生きている〔わたし〕を見ていながら、母よ、何ゆえに、わたしのことを泣き叫ぶのですか」と。

〔女性在俗信者が、詩偈に言う〕「子よ、あるいは、死んだ者のことを、〔世の人々は〕泣き叫び、あるいは、彼が生きているとして、見ることができないなら、〔彼のことをもまた泣き叫びます〕。さらに、彼が、諸々の欲望〔の対象〕を捨てて〔そののち〕、ここに、ふたたび帰り来るなら、子よ、あるいは、また、彼のことを、〔世の人々は〕泣き叫びます。なぜなら、彼は、生きているとして、ふたたび死んだ者となるからです。

息子よ、〔あなたは〕熱灰から引き出されたのに、〔ふたたび〕熱灰に落ちることを求めます。息子よ、〔あなたは〕奈落から引き出されたのに、〔ふたたび〕奈落に落ちることを求めます。

急ぎ行きなさい。あなたに、幸せ〔有れ〕〔わたしたちは〕誰に文句を言えばよいのでしょう。〔あなたは〕燃え盛るところから運び出された物品を、ふたたび焼くことを求めます」と。

注釈【1】