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翻訳【20】

カクダの経

このように、わたしは聞きました。或る時のことです。世尊は、サーケータに住んでおられます。アンジャナ林の鹿園において。そこで、まさに、カクダ天子が、夜が更けると、見事な色艶となり、全面あまねくアンジャナ林を照らして、世尊のおられるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、世尊を敬拝して、一方に立ちました。一方に立った、まさに、カクダ天子は、世尊に、こう言いました。「沙門よ、〔あなたは〕愉悦しますか」と。「友よ、何を得たというのでしょう」と。「沙門よ、まさに、それでは、〔あなたは〕憂悲しますか」と。「友よ、何を失ったというのでしょう」と。「沙門よ、まさに、それでは、まさしく、愉悦することもなく、さらに、憂悲することもないのですか」と。「友よ、そのとおりです」と。

〔天子が、詩偈に言う〕「比丘よ、どうでしょう、あなたは、悩苦なき者なのですか。どうでしょう、愉悦は、〔あなたに〕見出されないのですか。どうでしょう、あなたを、独り坐す〔あなた〕を、不満は押し流さないのですか」と。

〔世尊が、詩偈に言う〕「夜叉(天子)よ、わたしは、まさに、悩苦なき者です。そこで、愉悦は、〔わたしに〕見出されません。そこで、わたしを、独り坐す〔わたし〕を、不満は押し流しません」と。

〔天子が、詩偈に言う〕「比丘よ、どのように、あなたは、悩苦なき者なのですか。どのように、愉悦は、〔あなたに〕見出されないのですか。どのように、あなたを、独り坐す〔あなた〕を、不満は押し流さないのですか」と。

〔世尊が、詩偈に言う〕「悩苦が生じた者には、まさに、愉悦があります。愉悦が生じた者には、まさに、悩苦があります。『愉悦なく、悩苦なき比丘である』〔と〕、友よ、このように、〔わたしのことを〕知りなさい」と。

〔天子が、詩偈に言う〕「長きのはてに、まさに、〔わたしは〕見る⸺完全なる涅槃に到達した〔真の〕婆羅門を⸺愉悦なく、悩苦なき比丘を⸺世における執着を超え渡った方を」と。

注釈【1】