このように、わたしは聞きました。或る時のことです。世尊は、サーヴァッティーに住んでおられます。ジェータ林において。世尊は、こう言いました。「比丘たちよ、いったい、まさに、何が存しているとき、何に執取して、何に固着して、このような見解が生起するのですか。『諸々の風は吹かない。諸々の川は流れない。妊婦たちは産まない。月と日は、あるいは、昇り行くことも、あるいは、離れ去ることも、なく、止住する石柱のように止住している』」と。
「尊き方よ、わたしたちにとって、諸々の法(教え)は、世尊を根元とするものであり、世尊を導きとするものであり、世尊を帰依所とするものです。尊き方よ、どうか、まさに、まさしく、世尊に、この語られたことの義(意味)が明白となれ(世尊みずから答えてください)。世尊の〔言葉を〕聞いて、比丘たちは、〔それを〕保持するでしょう」と。「比丘たちよ、まさに、それでは、聞きなさい。善くしっかりと、意を為しなさい。〔では〕語ります」と。「尊き方よ、わかりました」と、まさに、それらの比丘たちは、世尊に答えました。世尊は、こう言いました。
「比丘たちよ、まさに、形態が存しているとき、形態に執取して、形態に固着して、このような見解が生起します。『諸々の風は吹かない。諸々の川は流れない。妊婦たちは産まない。月と日は、あるいは、昇り行くことも、あるいは、離れ去ることも、なく、止住する石柱のように止住している』と。感受〔作用〕が存しているとき……略……。表象〔作用〕が存しているとき……。諸々の形成〔作用〕が存しているとき……。識知〔作用〕が存しているとき、識知〔作用〕に執取して、識知〔作用〕に固着して、このような見解が生起します。『諸々の風は吹かない。諸々の川は流れない。妊婦たちは産まない。月と日は、あるいは、昇り行くことも、あるいは、離れ去ることも、なく、止住する石柱のように止住している』と。比丘たちよ、それを、どう思いますか。形態は、あるいは、常住ですか、あるいは、無常ですか」と。「尊き方よ、無常です」〔と〕。「また、それが、無常であるなら、それは、あるいは、苦痛ですか、あるいは、安楽ですか」と。「尊き方よ、苦痛です」〔と〕。「また、それが、無常であり、苦痛であり、変化の法(性質)であるなら、さて、いったい、それに執取せずして〔そののち〕、このような見解が生起するでしょうか。『諸々の風は吹かない。諸々の川は流れない。妊婦たちは産まない。月と日は、あるいは、昇り行くことも、あるいは、離れ去ることも、なく、止住する石柱のように止住している』」と。「尊き方よ、まさに、このことは、さにあらず」〔と〕。
「感受〔作用〕は、あるいは、常住ですか、あるいは、無常ですか」と。……。「表象〔作用〕は……。「諸々の形成〔作用〕は……。「識知〔作用〕は、あるいは、常住ですか、あるいは、無常ですか」と。「尊き方よ、無常です」〔と〕。「また、それが、無常であるなら、それは、あるいは、苦痛ですか、あるいは、安楽ですか」と。「尊き方よ、苦痛です」〔と〕。「また、それが、無常であり、苦痛であり、変化の法(性質)であるなら、さて、いったい、それに執取せずして〔そののち〕、このような見解が生起するでしょうか。『諸々の風は吹かない。諸々の川は流れない。妊婦たちは産まない。月と日は、あるいは、昇り行くことも、あるいは、離れ去ることも、なく、止住する石柱のように止住している』」と。「尊き方よ、まさに、このことは、さにあらず」〔と〕。「すなわち、また、この、見られたもの、聞かれたもの、思われたもの、識られたもの、至り得られたもの、遍く探し求められたもの、意によって探索されたものは、それもまた、あるいは、常住ですか、あるいは、無常ですか」と。「尊き方よ、無常です」〔と〕。「また、それが、無常であるなら、それは、あるいは、苦痛ですか、あるいは、安楽ですか」と。「尊き方よ、苦痛です」〔と〕。「また、それが、無常であり、苦痛であり、変化の法(性質)であるなら、さて、いったい、それに執取せずして〔そののち〕、このような見解が生起するでしょうか。『諸々の風は吹かない。諸々の川は流れない。妊婦たちは産まない。月と日は、あるいは、昇り行くことも、あるいは、離れ去ることも、なく、止住する石柱のように止住している』」と。「尊き方よ、まさに、このことは、さにあらず」〔と〕。
「比丘たちよ、すなわち、そして、これらの状況について、まさに、聖なる弟子の疑いが捨棄されたものと成り、苦しみについてもまた、彼の疑いが捨棄されたものと成り、苦しみの集起についてもまた、彼の疑いが捨棄されたものと成り、苦しみの止滅についてもまた、彼の疑いが捨棄されたものと成り、苦しみの止滅に至る〔実践の〕道についてもまた、彼の疑いが捨棄されたものと成ることから、比丘たちよ、この者は、『聖なる弟子として、預流たる者であり、堕所の法(性質)なき者であり、決定の者であり、正覚を行き着く所とする者である』〔と〕説かれます」と。〔以上が〕第一となる。
注釈【1】
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