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翻訳【15】

第一の恐怖と怨念が寂止したものの経

サーヴァッティーの因縁となります。一方に坐った、まさに、アナータピンディカ家長に、世尊は、こう言いました。「家長よ、すなわち、まさに、そして、聖なる弟子には、五つの恐怖と怨念が寂止したものと成ることから、そして、四つの預流の支分を具備した者と成ることから、さらに、彼の、聖なる正理が、智慧によって、善く見られたものと成り、善く理解されたものと〔成ることから〕、彼は、望んでいるなら、まさしく、自己みずから、自己のことを説き明かすでしょう(授記する)。『〔わたしは〕地獄が滅尽した者として〔世に〕存している⸺畜生の胎が滅尽した者として、餓鬼の境域が滅尽した者として、悪所と悪趣と堕所が滅尽した者として。預流たる者として、わたしは〔世に〕存している⸺堕所の法(性質)なき者であり、決定の者であり、正覚を行き着く所とする者である』と。

どのような五つの恐怖と怨念が寂止したものと成るのですか。(1)家長よ、すなわち、命あるものを殺す者は、命あるものを殺すことを縁として、所見の法(現世)としての恐怖と怨念をもまた生み出し、未来のものとしての恐怖と怨念をもまた生み出し、心の属性としての苦痛と失意をもまた得知します。命あるものを殺すことから離間した者には、このように、その恐怖と怨念は寂止したものと成ります。(2)家長よ、すなわち、与えられていないものを取る者は……略……。(3)家長よ、すなわち、諸々の欲望〔の対象〕にたいする誤った行ないある者は……略……。(4)家長よ、すなわち、虚偽を説く者は……略……。(5)家長よ、すなわち、穀物酒や果実酒や〔他の〕酔わせるものによる放逸の境位ある者は、穀物酒や果実酒や〔他の〕酔わせるものによる放逸の境位を縁として、所見の法(現世)としての恐怖と怨念をもまた生み出し、未来のものとしての恐怖と怨念をもまた生み出し、心の属性としての苦痛と失意をもまた得知します。穀物酒や果実酒や〔他の〕酔わせるものによる放逸の境位あることから離間した者には、このように、その恐怖と怨念は寂止したものと成ります。これらの五つの恐怖と怨念が寂止したものと成ります。

どのような四つの預流の支分を具備した者と成るのですか。(1)家長よ、ここに、聖なる弟子が、覚者にたいする確固たる清信を具備した者として〔世に〕有ります。『かくのごとくもまた、彼は、世尊は……略……天〔の神々〕と人間たちの教師であり、覚者であり、世尊である』と。(2)(教え)にたいする……略……。(3)僧団にたいする……略……。(4)聖者たちに愛される諸戒を具備した者として〔世に〕有ります⸺破断ならず……略……禅定を等しく転起させる〔諸戒〕を。これらの四つの預流の支分を具備した者と成ります。

では、彼の、どのような聖なる正理が、智慧によって、善く見られたものと成り、善く理解されたものと〔成るのですか〕。家長よ、ここに、聖なる弟子が、まさしく、縁によって〔物事が〕生起する〔道理〕縁起に、善くしっかりと、根源のままに意を為します。『かくのごとく、これが存しているとき、これが有る。これの生起あることから、これが生起する。かくのごとく、これが存していないとき、これが有ることはない。これの止滅あることから、これが止滅する。すなわち、この、無明という縁あることから、諸々の形成〔作用〕がある。諸々の形成〔作用〕という縁あることから、識知〔作用〕がある。……略……。このように、この全部の苦しみの範疇の集起が有る。まさしく、しかし、無明の残りなき離貪と止滅あることから、諸々の形成〔作用〕の止滅がある。諸々の形成〔作用〕の止滅あることから、識知〔作用〕の止滅がある。……略……。このように、この全部の苦しみの範疇の止滅が有る』と。彼の、この聖なる正理が、智慧によって、善く見られたものと成り、善く理解されたものと〔成ります〕

家長よ、すなわち、まさに、聖なる弟子には、これらの五つの恐怖と怨念が寂止したものと成ることから、これらの四つの預流の支分を具備した者と成ることから、さらに、彼の、この聖なる正理が、智慧によって、善く見られたものと成り、善く理解されたものと〔成ることから〕、彼は、望んでいるなら、まさしく、自己みずから、自己のことを説き明かすでしょう。『〔わたしは〕地獄が滅尽した者として〔世に〕存している⸺畜生の胎が滅尽した者として、餓鬼の境域が滅尽した者として、悪所と悪趣と堕所が滅尽した者として。預流たる者として、わたしは〔世に〕存している⸺堕所の法(性質)なき者であり、決定の者であり、正覚を行き着く所とする者である』」と。〔以上が〕第八となる。

注釈【1】