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翻訳【20】

毛の経

或る時のことです。世尊は、ヴェーサーリーに住んでおられます。マハー林の楼閣堂において。そこで、まさに、尊者アーナンダは、早刻時に、着衣して鉢と衣料を取って、ヴェーサーリーに〔行乞の〕食のために入りました。まさに、尊者アーナンダは、大勢のリッチャヴィ〔族〕の少年たちが、公会堂において、弓術を為しながら、はるか遠くから、微細な鍵穴に、矢を、矢継ぎ早に失敗なく通しているのを見ました。見て、彼に、この〔思い〕が有りました。「まさに、これらのリッチャヴィ〔族〕の少年たちは、手練の者たちである。まさに、これらのリッチャヴィ〔族〕の少年たちは、極めて手練の者たちである。なぜなら、そこで、まさに、はるか遠くから、微細な鍵穴に、矢を、矢継ぎ早に失敗なく通すからだ」と。

そこで、まさに、尊者アーナンダは、ヴェーサーリーにおいて〔行乞の〕食のために歩んで、食事のあと、〔行乞の〕施食から戻り、世尊のおられるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、世尊を敬拝して、一方に坐りました。一方に坐った、まさに、尊者アーナンダは、世尊に、こう言いました。「尊き方よ、ここに、わたしは、早刻時に、着衣して鉢と衣料を取って、ヴェーサーリーに〔行乞の〕食のために入りました。尊き方よ、まさに、わたしは、大勢のリッチャヴィ〔族〕の少年たちが、公会堂において、弓術を為しながら、はるか遠くから、微細な鍵穴に、矢を、矢継ぎ早に失敗なく通しているのを見ました。見て、わたしに、この〔思い〕が有りました。『まさに、これらのリッチャヴィ〔族〕の少年たちは、手練の者たちである。まさに、これらのリッチャヴィ〔族〕の少年たちは、極めて手練の者たちである。なぜなら、そこで、まさに、はるか遠くから、微細な鍵穴に、矢を、矢継ぎ早に失敗なく通すからだ』」と。

「アーナンダよ、それを、どう思いますか。いったい、まさに、どちらが、あるいは、より為し難くあり、あるいは、より征服し難くありますか。すなわち、はるか遠くから、微細な鍵穴に、矢を、矢継ぎ早に失敗なく通すことですか、あるいは、すなわち、百様に破断された毛の端を、〔矢の〕端で貫くことですか」と。「尊き方よ、これこそが、まさしく、そして、より為し難くあり、さらに、より征服し難くあります。あるいは、すなわち、百様に破断された毛の端を、〔矢の〕端で貫くことです」と。「アーナンダよ、そこで、まさに、〔賢者たちは〕より貫き難きものを貫きます。すなわち、〔彼らは〕『これは、苦しみである』と、事実のとおりに理解し……略……『これは、苦しみの止滅に至る〔実践の〕道である』と、事実のとおりに理解します」と。

アーナンダよ、それゆえに、ここに、『これは、苦しみである』と、〔心の〕制止が為されるべきであり……略……『これは、苦しみの止滅に至る〔実践の〕道である』と、〔心の〕制止が為されるべきです」と。〔以上が〕第五となる。

注釈【1】