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翻訳【18】

出家の経

〔尊者アーナンダが言った〕〔世尊の〕出家〔の経緯〕を、〔あるがままに〕述べ伝えましょう⸺眼ある方が出家した、そのとおりに⸺〔常に正しく〕考察している方が、彼が、出家することを正しく選んだ、そのとおりに。(1)

『この在家の居住は煩わしく、塵の〔積もる〕場所:領域・範囲)である』と〔見て〕、『出家は、まさしく、〔塵の積もらない〕野外にある』と見て、〔世尊は〕出家しました。(2)

出家して、身体による悪しき行為悪業を避けました。言葉による悪しき行ないを捨棄して、生き方を完全に清めました。(3)

覚者は、ラージャガハ王舎城に赴きました⸺マガダ〔国〕のギリッバジャ(王舎城の別名)に。優れた〔聖者の〕特相を〔身体に〕ちりばめた方は、〔行乞の〕食のために〔歩を〕運びました。(4)

高楼に立ったビンビサーラ(マガダ国王)は、彼を見ました。〔聖者の〕特相を成就した方を見て、この義(意味)を語りました。(5)

〔王は言いました〕『諸君よ、このことをこころして聞け。〔彼は〕形姿麗しく、偉丈夫で、清らかである。さらに、行ないを成就し、かつまた、〔一〕ユガ:長さの単位・一ユガは約二メートル)ばかりを〔隙なく〕見ている。(6)

〔生類を殺さぬように注意深く〕眼を落とし、気づきある者である。この者は、卑しい家から〔出た者〕のようには〔見え〕ない(人品卑しからぬ者である)。王の使者たちよ、走れ。比丘は、どこに赴くのだろう』〔と〕(7)

〔王に〕命じられた、それらの王の使者たちは、〔覚者の〕背後から後を追いました⸺『比丘は、どこに赴くのだろう。どこにおいて、住居と成るのだろう』〔と〕(8)

〔感官の〕門が守られ、善く統御された方は、〔行乞のために〕歩々淡々と歩みながら、すみやかに、鉢を〔施物で〕満たしました⸺正知と気づきの者として。(9)

〔行乞の〕食の行(托鉢行)を歩んで、城市から出て、牟尼は、パンダヴァ〔山〕へと〔歩を〕運びました。ここにおいて、住居と成るのでしょう。(10)

〔覚者が〕住居へと近しく赴いたのを見て、三者の使者たちは、〔覚者のもとに赴き、一方に〕近坐しました。彼らのうち、一者だけは、〔王宮に〕帰って、王に知らせました。(11)

〔使者は言いました〕『大王よ、この比丘は、パンダヴァ〔山〕の東に〔赴き〕、山窟において、獅子のように、虎や雄牛のように、坐っています』〔と〕(12)

使者の言葉を聞いて、士族(ビンビサーラ王)は、立派な乗物とともに、急ぎの様子で出発しました⸺パンダヴァ山のあるところへと。(13)

彼は、乗物の〔行ける〕地まで行って、乗物から降りて、士族は、徒歩の者となり、〔覚者のもとへと〕近づいて行って、彼に近づいて、〔一方に〕近坐しました。(14)

坐って〔そののち〕、王は、記憶されるべき話を〔交わし、出会いを〕喜び合いました(対面の挨拶をした)。そののち、彼は、〔覚者と〕話を交わして、この義(意味)を語りました。(15)

〔王は尋ねました〕『かつまた、若くある者として、かつまた、年少の者として、〔あなたは〕存しています⸺〔人生の〕最初を生きる若者として。崇高なる色艶を成就した者であり、生まれよき士族のようです。(16)

軍隊の先端を美しく荘厳しながら、象たちの群れに囲まれた者と〔成りたまえ〕〔わたしが、あなたに〕施しましょう⸺諸々の財物を受けたまえ。〔わたしに、あなたの〕生まれを告げ知らせたまえ⸺〔問いを〕尋ねられた者として』〔と〕(17)

〔世尊は答えました〕『王よ、〔この方角を〕真っすぐに、ヒマヴァント(ヒマラヤ)の山麓に、財と勇を成就した地方があります。コーサラ〔国〕に家ある〔王〕のものです。(18)

まさに、姓としては、アーディッチャ(太陽)であり、まさに、生まれとしては、釈迦〔族〕であり、その家から出家した者として、〔わたしは〕存しています。諸々の欲望〔の対象〕を望み求める者ではありません。(19)

諸々の欲望〔の対象〕のうちに危険患・過患を見て、離欲〔の境地〕を「平安である」と見て、〔刻苦〕精励するために、〔出家の道を〕赴くでしょう。ここにおいて、わたしの意は喜びます』」〔と〕。ということで⸺(20)

出家の経が第一となり、〔以上で〕終了となる。

注釈【1】