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翻訳【19】

洞窟についての八なるものの経

〔煩悩の〕洞窟(身体)に執着し、多く〔の迷妄〕に覆われた者⸺迷妄ならしむもの(欲望の対象)のうちに沈み、止住している人⸺まさに、そのような種類の者は、彼は、遠離〔の境地〕から遠くにある。なぜなら、世における諸々の欲望〔の対象〕は、まさに、捨棄し易きものではないからである。(1)

〔心の〕欲求という因縁ある者たち、生存の快楽に結縛された者たち、彼らは、解脱し難い。なぜなら、他のものによる解脱(他者・他物を依り所とする解脱)は、〔どこにも存在し〕ないからである。未来に、あるいは、また、過去について、〔あれこれと〕期待している者たちがいる。あるいは、〔現前する〕これらの欲望〔の対象〕を、あるいは、諸々の以前のものを、〔貪りの思いで〕渇望しながら。(2)

諸々の欲望〔の対象〕について、貪り求め、追い求め、遍く迷乱した者たち⸺しみったれで、〔世の〕不正に〔思いが〕固着した、それらの者たちは、〔いざ、死の〕苦しみ〔の前〕に連れて行かれたなら、〔うってかわって〕嘆き悲しむ。「死滅した〔わたしたち〕は、これから、いったい、どう成るのだろう」〔と〕(3)

まさに、それゆえに、人は、まさしく、この〔世において〕、学ぶように。それが何であれ、世において、「不正である」と知るなら、それを因として、不正を行なうことがないように。慧者たちは言う。「まさに、この生命(寿命)は、僅かである」〔と〕(4)

〔わたしは〕見る⸺世において、震えおののいている〔人々〕を⸺諸々の生存にたいする渇愛に陥った、この人々を。下劣な人たちは、死魔の門にて泣き喚く⸺諸々の種々なる生存にたいする渇愛〔の思い〕から離れられずに。(5)

見よ⸺わがものと〔錯視〕されたもの(執着の対象)のなかで、震えおののいている者たちを⸺水少なく、涸れた流れのなかにいる、魚たちのような者たちを(彼らは、所有物を失う不安と恐怖で悩み苦しんでいる)。このことをもまた見て、我執なき者として〔世を〕歩むように⸺諸々の生存にたいし、執着〔の思い〕を為さずにいる者となり(何も執着せず、世を歩むべきである)(6)

〔種々に対立する〕両極について、欲〔の思い〕を取り除くように⸺〔感官とその対象の〕接触:感覚の発生)を遍く知って、貪求なき者となり。〔まさに〕その、自己を難じる者が〔為すこと〕、それを為さずにいる者は⸺慧者は、諸々の見られ聞かれたもの(欲望の対象)に汚されない。(7)

〔心中の〕表象:概念・心象)を遍く知って、〔貪欲の〕激流を超え渡るように⸺諸々の執持〔の対象〕(所有物)に汚されない牟尼(沈黙の聖者)となり。〔貪欲の〕矢を引き抜き、〔気づきを〕怠ることなく〔世を〕歩んでいる者は、この世を、さらに、他〔の世〕を、〔両者ともに〕願い求めない。ということで⸺(8)

洞窟についての八なるものの経が第二となり、〔以上で〕終了となる。

注釈【1】