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翻訳【20】

最高についての八なるものの経

諸々の見解について、「〔これこそ〕最高である」と〔独善的に固執し〕固着しながら、世において、人が、それをより上と為すなら、それより他のものについては、〔その〕一切を、「劣る」と言う。それゆえに、〔人は〕諸々の論争を超克せずにいる。(1)

見られたものについて、聞かれたものについて、戒や掟(執着の対象に成り下がった宗教行為)について、あるいは、思われたもの(我執の思いで対象化され他者化した認識対象)について、すなわち、自己〔の見解〕について、福利を見るなら、彼は、そこにおいて、それ(自己の見解)だけに執持して、他の一切を「劣る」と見る。(2)

あるいは、また、それを、智者たちは、「拘束」と説く⸺それに依存する者が、他を「劣る」と見るなら。まさに、それゆえに、あるいは、見られたものに、聞かれたものに、あるいは、思われたものに、戒や掟に、比丘は、依存しないように。(3)

あるいは、知恵によって、あるいは、また、戒や掟によっても、世において、〔いかなる〕見解でさえも想い描かないように。自己を〔他者と〕「等しい」と見なさないように。あるいは、また、「劣る」「勝る」〔と〕思いなさないように。(4)

自己を捨棄して、執取せずにいる者は⸺彼は、〔いかなる〕知恵にたいしてもまた、依存を為さない。彼は、まさに、相争う者たちのなかにいながら、〔特定の〕党派に走り行く者ではない。彼は、〔いかなる〕見解でさえも、何であれ、信受しない。(5)

彼に、この〔世において〕〔種々に対立する〕両極について、〔自分勝手な〕誓願が存在しないなら⸺この〔世〕であろうと、あの〔世〕であろうと、種々なる生存のために、〔自分勝手な誓願が存在しないなら〕⸺彼に、諸々の〔妄執が〕固着する場は、何であれ、存在しない。諸々の法(見解)について、〔執着の対象として〕執持されたものを、〔執着の対象と〕判別して。(6)

彼には、この〔世において〕、あるいは、見られたものについて、聞かれたものについて、あるいは、思われたものについて、〔執着の対象として〕想い描かれた〔特定の〕表象は、微塵でさえも存在しない。〔特定の〕見解に執取しない、その婆羅門を、ここに、〔この〕世において、〔いったい、誰が〕何によって、想い描くというのだろう(執着の対象を想い描くことがない者は、執着の対象として想い描かれることもない)(7)

〔特定の何かを〕想い描かず、〔特定の何かを〕偏重せず、諸々の法(見解)もまた、彼らには受容されない。〔真の〕婆羅門は、戒や掟によって導かれない。彼岸に至った如なる者は、〔特定の見解を〕信受しない(この世に戻らない)。ということで⸺(8)

最高についての八なるものの経が第五となり、〔以上で〕終了となる。

注釈【1】