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翻訳【17】

寿命を形成する働きを放棄することの経

このように、わたしは聞きました。或る時のことです。世尊は、ヴェーサーリーに住んでおられます。マハー林の楼閣堂重閣講堂において。そこで、まさに、世尊は、早刻時に、着衣して鉢と衣料を取って、ヴェーサーリーに〔行乞の〕食のために入りました。ヴェーサーリーにおいて〔行乞の〕食のために歩んで、食事のあと、〔行乞の〕施食から戻り、尊者アーナンダに告げました。「アーナンダよ、坐具を収め取りなさい。〔わたしたちは〕チャーパーラ塔廟のあるところに、そこへと近づいて行くのです⸺昼の休息のために」と。

「尊き方よ、わかりました」と、まさに、尊者アーナンダは、世尊に答えて、坐具を取って、背後から背後へと、世尊に付き従いました。そこで、まさに、世尊は、チャーパーラ塔廟のあるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、設けられた坐に坐りました。坐って、まさに、世尊は、尊者アーナンダに告げました。

「アーナンダよ、ヴェーサーリーは喜ばしいところです。ウデーナ塔廟は喜ばしいところです。ゴータマカ塔廟は喜ばしいところです。サッタンバ塔廟は喜ばしいところです。バフプッタ塔廟は喜ばしいところです。サーランダダ塔廟は喜ばしいところです。チャーパーラ塔廟は喜ばしいところです。アーナンダよ、誰であれ、彼の、四つの神通の足場四神足:意欲・専心・精進・考察)が、修められ、多く為され、乗物(手段)として作り為され、地所(基盤)として作り為され、奮起され、蓄積され、善く正しく勉励されたなら、彼は、望んでいるなら、あるいは、命数のあいだ、あるいは、命数と残余のあいだ、〔世に〕止住できます。アーナンダよ、まさに、如来の、四つの神通の足場は、修められ、多く為され、乗物として作り為され、地所として作り為され、奮起され、蓄積され、善く正しく勉励されました。アーナンダよ、如来は、望んでいるなら、あるいは、命数のあいだ、あるいは、命数と残余のあいだ、〔世に〕止住できます」と。

たとえ、このように、まさに、尊者アーナンダは、世尊によって、大まかな示相が為されながらも、大まかな暗示が為されながらも、〔それを〕理解することができませんでした。世尊に乞い求めることをしませんでした。「尊き方よ、世尊は、命数のあいだ、〔世に〕止住してください。善き至達者たる方善逝は、命数のあいだ、〔世に〕止住してください。多くの人々の利益のために、多くの人々の安楽のために、世〔の人々〕への慈しみ〔の思い〕のために、天〔の神々〕と人間たちの、義(目的)のために、利益のために、安楽のために」と。あたかも、それは、悪魔によって、心が完全に包囲されていたかのように。再度また、まさに……略……。三度また、まさに、世尊は、尊者アーナンダに告げました。

「アーナンダよ、ヴェーサーリーは喜ばしいところです。ウデーナ塔廟は喜ばしいところです。ゴータマカ塔廟は喜ばしいところです。サッタンバ塔廟は喜ばしいところです。バフプッタ塔廟は喜ばしいところです。サーランダダ塔廟は喜ばしいところです。チャーパーラ塔廟は喜ばしいところです。アーナンダよ、誰であれ、彼の、四つの神通の足場が、修められ、多く為され、乗物として作り為され、地所として作り為され、奮起され、蓄積され、善く正しく勉励されたなら、彼は、望んでいるなら、あるいは、命数のあいだ、あるいは、命数と残余のあいだ、〔世に〕止住できます。アーナンダよ、まさに、如来の、四つの神通の足場は、修められ、多く為され、乗物として作り為され、地所として作り為され、奮起され、蓄積され、善く正しく勉励されました。アーナンダよ、如来は、望んでいるなら、あるいは、命数のあいだ、あるいは、命数と残余のあいだ、〔世に〕止住できます」と。

たとえ、このように、まさに、尊者アーナンダは、世尊によって、大まかな示相が為されながらも、大まかな暗示が為されながらも、〔それを〕理解することができませんでした。世尊に乞い求めることをしませんでした。「尊き方よ、世尊は、命数のあいだ、〔世に〕止住してください。善き至達者たる方は、命数のあいだ、〔世に〕止住してください。多くの人々の利益のために、多くの人々の安楽のために、世〔の人々〕への慈しみ〔の思い〕のために、天〔の神々〕と人間たちの、義(目的)のために、利益のために、安楽のために」と。あたかも、それは、悪魔によって、心が完全に包囲されていたかのように。

そこで、まさに、世尊は、尊者アーナンダに告げました。「アーナンダよ、あなたは去りなさい。今が、そのための時と思うのなら〔思いのままに〕」と。「尊き方よ、わかりました」と、まさに、尊者アーナンダは、世尊に答えて、坐から立ち上がって、世尊を敬拝して、右回り〔の礼〕を為して、遠く離れていないところの、或るどこかの木の根元において坐りました。

そこで、まさに、悪魔パーピマントが、尊者アーナンダが立ち去ったすぐあと、世尊のおられるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、一方に立ちました。一方に立った、まさに、悪魔パーピマントは、世尊に、こう言いました。

「尊き方よ、今や、世尊は、完全なる涅槃に到達してください。善き至達者たる方は、完全なる涅槃に到達してください。尊き方よ、今や、世尊にとって、完全なる涅槃に到達する時です。尊き方よ、また、まさに、この言葉は、世尊によって語られました。『パーピマントよ、それまで、わたしは、完全なる涅槃に到達することはないでしょう。すなわち、わたしの弟子である比丘たちが、明敏で、〔正しく〕教え導かれ、〔道に〕熟達し、多聞の者たちとなり、法(教え)を保つ者たちとなり、法(教え)を法(教え)のままに実践する者たちとなり、適正に実践する者たちとなり、法(教え)のままに行なう者たちとなり、自らの師匠伝来のものを〔正しく〕収め取って、〔他者に〕告知し、説示し、報知し、確立し、開顕し、区分し、明瞭と為し、法(真理)を共にするものによって、生起した異論を善く制御されたものに制御して、〔教示の〕神変を有する法(解脱に導く教え)を説示し、〔世に〕有ることにならないかぎりは』と。尊き方よ、また、まさに、今現在、世尊の弟子である比丘たちは、明敏で、〔正しく〕教え導かれ、〔道に〕熟達し、多聞の者たちとなり、法(教え)を保つ者たちとなり、法(教え)を法(教え)のままに実践する者たちとなり、適正に実践する者たちとなり、法(教え)のままに行なう者たちとなり、自らの師匠伝来のものを〔正しく〕収め取って、〔他者に〕告知し、説示し、報知し、確立し、開顕し、区分し、明瞭と為し、法(真理)を共にするものによって、生起した異論を善く制御されたものに制御して、〔教示の〕神変を有する法(教え)を説示します。尊き方よ、今や、世尊は、完全なる涅槃に到達してください。善き至達者たる方は、完全なる涅槃に到達してください。尊き方よ、今や、世尊にとって、完全なる涅槃に到達する時です。

尊き方よ、また、まさに、この言葉は、世尊によって語られました。『パーピマントよ、それまで、わたしは、完全なる涅槃に到達することはないでしょう。すなわち、わたしの弟子である比丘尼たちが、明敏で、〔正しく〕教え導かれ、〔道に〕熟達し、多聞の者たちとなり、法(教え)を保つ者たちとなり、法(教え)を法(教え)のままに実践する者たちとなり、適正に実践する者たちとなり、法(教え)のままに行なう者たちとなり、自らの師匠伝来のものを〔正しく〕収め取って、〔他者に〕告知し、説示し、報知し、確立し、開顕し、区分し、明瞭と為し、法(真理)を共にするものによって、生起した異論を善く制御されたものに制御して、〔教示の〕神変を有する法(教え)を説示し、〔世に〕有ることにならないかぎりは』と。尊き方よ、また、まさに、今現在、世尊の弟子である比丘尼たちは、明敏で、〔正しく〕教え導かれ、〔道に〕熟達し、多聞の者たちとなり、法(教え)を保つ者たちとなり、法(教え)を法(教え)のままに実践する者たちとなり、適正に実践する者たちとなり、法(教え)のままに行なう者たちとなり、自らの師匠伝来のものを〔正しく〕収め取って、〔他者に〕告知し、説示し、報知し、確立し、開顕し、区分し、明瞭と為し、法(真理)を共にするものによって、生起した異論を善く制御されたものに制御して、〔教示の〕神変を有する法(教え)を説示します。尊き方よ、今や、世尊は、完全なる涅槃に到達してください。善き至達者たる方は、完全なる涅槃に到達してください。尊き方よ、今や、世尊にとって、完全なる涅槃に到達する時です。

尊き方よ、また、まさに、この言葉は、世尊によって語られました。『パーピマントよ、それまで、わたしは、完全なる涅槃に到達することはないでしょう。すなわち、わたしの弟子である在俗信者優婆塞たちが、明敏で、〔正しく〕教え導かれ、〔道に〕熟達し、多聞の者たちとなり、法(教え)を保つ者たちとなり、法(教え)を法(教え)のままに実践する者たちとなり、適正に実践する者たちとなり、法(教え)のままに行なう者たちとなり、自らの師匠伝来のものを〔正しく〕収め取って、〔他者に〕告知し、説示し、報知し、確立し、開顕し、区分し、明瞭と為し、法(真理)を共にするものによって、生起した異論を善く制御されたものに制御して、〔教示の〕神変を有する法(教え)を説示し、〔世に〕有ることにならないかぎりは』と。尊き方よ、また、まさに、今現在、世尊の弟子である在俗信者たちは、明敏で、〔正しく〕教え導かれ、〔道に〕熟達し、多聞の者たちとなり、法(教え)を保つ者たちとなり、法(教え)を法(教え)のままに実践する者たちとなり、適正に実践する者たちとなり、法(教え)のままに行なう者たちとなり、自らの師匠伝来のものを〔正しく〕収め取って、〔他者に〕告知し、説示し、報知し、確立し、開顕し、区分し、明瞭と為し、法(真理)を共にするものによって、生起した異論を善く制御されたものに制御して、〔教示の〕神変を有する法(教え)を説示します。尊き方よ、今や、世尊は、完全なる涅槃に到達してください。善き至達者たる方は、完全なる涅槃に到達してください。尊き方よ、今や、世尊にとって、完全なる涅槃に到達する時です。

尊き方よ、また、まさに、この言葉は、世尊によって語られました。『パーピマントよ、それまで、わたしは、完全なる涅槃に到達することはないでしょう。すなわち、わたしの弟子である女性在俗信者優婆夷たちが、明敏で、〔正しく〕教え導かれ、〔道に〕熟達し、多聞の者たちとなり、法(教え)を保つ者たちとなり、法(教え)を法(教え)のままに実践する者たちとなり、適正に実践する者たちとなり、法(教え)のままに行なう者たちとなり、自らの師匠伝来のものを〔正しく〕収め取って、〔他者に〕告知し、説示し、報知し、確立し、開顕し、区分し、明瞭と為し、法(真理)を共にするものによって、生起した異論を善く制御されたものに制御して、〔教示の〕神変を有する法(教え)を説示し、〔世に〕有ることにならないかぎりは』と。尊き方よ、また、まさに、今現在、世尊の弟子である女性在俗信者たちは、明敏で、〔正しく〕教え導かれ、〔道に〕熟達し、多聞の者たちとなり、法(教え)を保つ者たちとなり、法(教え)を法(教え)のままに実践する者たちとなり、適正に実践する者たちとなり、法(教え)のままに行なう者たちとなり、自らの師匠伝来のものを〔正しく〕収め取って、〔他者に〕告知し、説示し、報知し、確立し、開顕し、区分し、明瞭と為し、法(真理)を共にするものによって、生起した異論を善く制御されたものに制御して、〔教示の〕神変を有する法(教え)を説示します。尊き方よ、今や、世尊は、完全なる涅槃に到達してください。善き至達者たる方は、完全なる涅槃に到達してください。尊き方よ、今や、世尊にとって、完全なる涅槃に到達する時です。

尊き方よ、また、まさに、この言葉は、世尊によって語られました。『パーピマントよ、それまで、わたしは、完全なる涅槃に到達することはないでしょう。すなわち、わたしの、この梵行が、まさしく、そして、繁栄し、さらに、興隆し、天〔の神々〕と人間たちによって見事に明示されるに至るまで、拡張し、多くの人々にあり、広きものと成り、〔世に〕有ることにならないかぎりは』と。尊き方よ、また、まさに、今現在、世尊の梵行は、まさしく、そして、繁栄し、さらに、興隆し、天〔の神々〕と人間たちによって見事に明示されるに至るまで、拡張し、多くの人々にあり、広きものと成っています。尊き方よ、今や、世尊は、完全なる涅槃に到達してください。善き至達者たる方は、完全なる涅槃に到達してください。尊き方よ、今や、世尊にとって、完全なる涅槃に到達する時です」と。

このように説かれたとき、世尊は、悪魔パーピマントに、こう言いました。「パーピマントよ、あなたは、思い入れ少なき者と成れ(心配はいりません)。長からずして、如来には、完全なる涅槃が有るでしょう。これから、三月が経過して、如来は、完全なる涅槃に到達するでしょう」と。

そこで、まさに、世尊は、チャーパーラ塔廟において、気づきと正知の者となり、寿命を形成する働き:生の輪廻を施設し造作する働き)を放棄しました。そして、世尊によって、寿命を形成する働きが放棄されたとき、禍々しく身の毛のよだつ大いなる地震が有り、さらに、諸々の天の雷鼓が炸裂しました。

そこで、まさに、世尊は、この義(道理)を見出して、その時に、この感興〔の言葉〕を唱えました。

「比べられるものを、さらに、比べられないものを、〔何であれ、自己から〕発生するものを、〔迷いの〕生存を形成する働きを、牟尼は放棄した。内に喜び、〔心が〕定められた者は、鎧を〔壊し去る〕ように、自己から発生するものを破壊した」と。〔以上が〕第一となる。

注釈【1】