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翻訳【15】

イシダーシー長老尼の詩偈

花の名をもつ城市、地の精髄たるパータリプッタにおいて、釈迦〔族〕の家の家系の者にして、まさに、徳ある二者の比丘尼が〔世に有った〕

そこにおいて、一者は「イシダーシー」〔と呼ばれ〕、第二の者は「ボーディー」と〔呼ばれ〕、そして、戒の成就者たちとして、瞑想を喜ぶ瞑想者たちとして、多聞の者たちとして、〔心の〕汚れを払い落とした者たちとして、〔世に有った〕

彼女たちは、〔行乞の〕食のために〔道を〕歩んで、食事を義(目的)と為して、鉢を洗い清め、静所に楽坐し、これらの言葉を発した。

〔ボーディーが尋ねた〕「貴婦よ、〔あなたは〕清らかな者として存しています。イシダーシーよ、あなたの年齢もまた、衰退なくあります(若さの盛りにある)。何を非と見て、そこで、〔あなたは〕離欲に専念する者として〔世に〕存しているのですか」〔と〕

このように、彼女は⸺静所で〔離欲に〕専念している、法(教え)の説示に巧みな智ある者、イシダーシーは⸺〔この〕言葉を説いた。〔イシダーシーは答えた〕「ボーディーよ、聞いてください⸺〔わたしが〕出家者として〔世に〕存している、そのとおりを。

戒による統御者たる、わたしの父は、優れた都のウッジェーニーにおける長者であり、〔わたしは〕彼の独り娘として存し、愛しき者として、かつまた、意に適う者として、そして、〔父に〕可愛がられました。

そこで、わたしのために、サーケータから、最上の家系の仲人たちがやってきました。〔その〕長者は、多大なる宝ある者であり、父は、わたしを、彼の嫁(長者の子の妻)として与えました。

姑に、さらに、舅に、夕に、朝に、挨拶するために近しく赴いて、教示された者として存する、そのとおりに、頭をもって〔礼を〕為し、〔彼らの両の〕足を敬拝します。

その者たちが、わたしの主人の姉妹たちであるとして、あるいは、兄弟の従者でも、その者を、たとえ、一度でも見ては、怯える〔思い〕で坐を与えます。

さてまた、それが、そこにおいて貯蔵されているものであるなら、そして、食べ物によって、さらに、飲み物によって、かつまた、固形の食料によって、その者が、それに適切な者であるなら、そして、〔それを施物として〕運び、かつまた、〔それを施物として〕与え、〔その者を〕喜ばせます。

〔しかるべき〕時に起きて、〔主人のいる〕家屋へと近しく赴きます。敷居のところで、〔両の〕手と足を洗い清め、合掌の者となり、主人のもとへと近づきます。

櫛を、髪留めを、そして、塗料を、さらに、鏡を、〔それらを〕掴んで、下働きを為す者(奴婢)であるかのように、まさしく、自ら、亭主を飾り立てます。

まさしく、自ら、飯を炊きます。まさしく、自ら、器を洗います。母が独り子に〔為す〕ように、そのように、夫を世話します。

このように、信愛を為したわたしに⸺懸命の為し手であり、〔我想の〕思量を打ち倒した〔わたし〕に⸺〔しかるべき時に〕起き、怠け者ではなく、戒ある〔わたし〕に⸺夫は怒るのです。

彼は、かつまた、〔彼の〕母に、かつまた、〔彼の〕父に、話します。『お許しください。わたしは、去り行くでありましょう。イシダーシーと共に住することはありません⸺わたしが、一つ家のなかで共に住することは』〔と〕

〔彼の父が尋ねました〕『子よ、このように言ってはならない。イシダーシーは、賢く、明敏な者だ。〔しかるべき時に〕起き、怠け者ではない。子よ、何が、おまえに、気に入らないのだ』〔と〕

〔夫は答えました〕『さてまた、何であれ、〔妻が〕わたしを害することはありません。しかしながら、わたしは、イシダーシーと共に住むことはありません。わたしにとっては、嫌なだけの者です。わたしには、〔もう〕十分です。お許しください。わたしは、去り行くでありましょう』〔と〕

彼の言葉を聞いて、姑は、さらに、舅は、わたしに尋ねました。『おまえは、何に反したのだ。〔わたしたちを〕信頼し、事実のとおりに話しなさい』〔と〕

〔わたしは答えました〕『わたしは、何にであれ、反することもまたなく、〔夫を〕害することもまたなく、悪しき言葉も話しません。どうして、為すことができるというのでしょう。すなわち、夫がわたしに怒ることになる、〔そのような行為を〕〔と〕

彼らは、わたしを、父の家に連れて行きました⸺意が離れ、苦しみに征服された者たちとなり。〔彼らは言いました〕〔わたしたちは〕存しています⸺〔自らの〕子を守りつつ、〔人間の〕形姿あるラッキー(幸福の女神・イシダーシのこと)を勝者とする者たちとして(わたしたちは、あなたの美しい娘に敗れ去った)〔と〕

そこで、父は、わたしを、第二の家系の富者の家に与えました⸺〔第一の〕長者がわたしを見出した、その〔結納金〕の、それより半分の結納金でもって。

彼の家にもまた、ひと月のあいだ、〔わたしは〕住しました。そこで、彼もまた、わたしを追い返したのです⸺奴婢のように奉仕する、汚れなき戒の成就者を。

さらに、行乞のために〔世を〕渡り歩いている者で、〔心身が〕調御された調御者に、わたしの父は話します。『〔あなたは〕わたしの婿と成るのです。そして、ぼろ布を、さらに、鉢を、捨て置きなさい』〔と〕

彼もまた、半月のあいだ住して、そこで、父に話します。『わたしに、ぼろ布を与えてください⸺そして、鉢を、さらに、椀を。ふたたび、また、行乞しながら〔世を〕歩むのです』〔と〕

そこで、彼に、父は話します⸺母も、さらに、わたしの親族たちの衆や集まりの全てが⸺『ここに、あなたのために、何を為さないというのでしょう。すみやかに話してください。あなたのために、それを為しましょう』〔と〕

このように話され、〔彼は〕話します。『すなわち、わたしの自己が〔思うとおりに〕できるなら、わたしには、〔それで〕十分です。イシダーシーと共に住することはありません⸺わたしが、一つ家のなかで共に住することは』〔と〕

彼は、捨て去られ、去り行くところとなり、わたしもまた、独りある者となり、熟慮します。『許しを乞うて、去り行くのだ。あるいは、死ぬために、あるいは、出家するのだ』〔と〕

そこで、托鉢のために〔世を〕歩んでいる貴婦が、ジナダッター〔長老尼〕が、父の家にやってきたのです⸺律を保ち、多聞にして、戒の成就者たる方が。

わたしたちのもとへと〔やってくる〕、彼女を見て、〔わたしは〕立ち上がって、彼女のために坐を設けました。そして、坐った〔彼女〕〔両の〕足を敬拝して、食料を施しました。

さてまた、それが、そこにおいて貯蔵されているものであるなら、そして、食べ物によって、さらに、飲み物によって、かつまた、固形の食料によって、〔彼女を〕満足させて、〔わたしは〕言いました。『貴婦よ、〔わたしは〕出家することを求めます』〔と〕

そこで、父は、わたしに話します。『子よ、おまえは、まさしく、ここで、法(教え)を行ないなさい。そして、食べ物によって、さらに、飲み物によって、沙門(修行者)たちを、さらに、再生者(婆羅門)たちを、満足させなさい』〔と〕

そこで、わたしは、泣きながら合掌を手向けて、父に話します。『まさに、わたしによって、悪しき行為が作り為されたのです。〔わたしは〕それを、滅し去るのです』〔と〕

そこで、父は、わたしに話します。『そして、覚り菩提に、さらに、至高の法(真理)に、〔おまえは〕至り得よ。さらに、最勝の二足者(ブッダ)が実証した、〔まさに〕その、涅槃を、〔おまえは〕得るのだ』〔と〕

母と父を敬拝して、さらに、わたしの親族たちの衆や集まりの全てを〔敬拝して〕、七日のうちに、出家した〔わたし〕は、三つの明知を体得しました。

〔わたしは〕自己の七つの生を知ります。その〔過去の行為〕には、この、果たる報いがあります。それを、あなたに告げ知らせましょう。それを、一意の者となり、こころして聞いてください。

エーラカッチャの城市において、わたしは、多大なる財ある金の細工師として〔世に有りました〕〔まさに〕その、わたしは、若さの驕慢によって驕慢し、他者の妻と慣れ親しみました(第一の生)

〔まさに〕その、わたしは、そこから死滅して、長きにわたり、地獄において煮られました(第二の生)。そして、〔果が〕熟した〔わたし〕は、そこから出て、雌猿の子宮に入りました。

群れの長の大猿は、七日のうちに、生まれたわたしを去勢しました。〔まさに〕その〔わたし〕には、この、〔過去の悪しき〕行為の果があります。すなわち、また、他者の妻のもとに赴いて〔罪を犯した〕とおりに(第三の生)

〔まさに〕その、わたしは、そこから死滅して⸺シンダヴァ〔地方〕の林において命を終えて〔そののち〕⸺かつまた、片目でもあり、かつまた、足萎えでもある、雌羊の子宮に入りました。

わたしは去勢され、十二年のあいだ、少年たちを運び回って〔命を終えました〕⸺虫に苦悩する、不具の者として。すなわち、また、他者の妻のもとに赴いて〔罪を犯した〕とおりに(第四の生)

〔まさに〕その、わたしは、そこから死滅して、牛商人の雌牛から生まれました。染色した銅のような子牛で、十二月のうちに去勢されました。

成長して〔そののち〕、わたしは、鋤を、さらに、荷車を、〔身に〕付けます⸺盲者として苦悩する、不具の者として。すなわち、また、他者の妻のもとに赴いて〔罪を犯した〕とおりに(第五の生)

〔まさに〕その、わたしは、そこから死滅して、道端の奴婢の家に生まれました⸺まさしく、女でもなく、男でもなく、〔無性者として〕。すなわち、また、他者の妻のもとに赴いて〔罪を犯した〕とおりに(第六の生)

三十年のうちに、死んだ〔わたし〕は、車夫の家に、娘として生まれました⸺貧しくて、財物少なく、債権人に多くの負債ある〔家〕に。

〔まさに〕その、わたしを、そののち、〔家の負債が〕増長し増大し広大になると、隊商の長が連れ去ります⸺悲嘆する〔わたし〕を、〔その〕家の家屋から奪い取って。

そこで、第十六の年に、若さ〔の盛り〕に至り得た、少女のわたしを見て、彼(隊商の長)の子で、名としては「ギリダーサ」という名の者が、〔わたしを〕娶りました。

彼にはまた、他の妻がいます。戒ある者であり、徳ある者であり、さらに、福徳ある者です。夫に貪執しているわたしは、彼女に、憎しみ〔の思い〕を為しました(第七の生)

〔まさに〕その〔わたし〕には、この、〔過去の悪しき〕行為の果があります。すなわち、わたしを捨離して、〔彼らは〕去り行きます⸺奴婢のように奉仕している〔わたし〕を。その〔行為の果〕にもまた、〔今や〕終極が、わたしによって為されました」〔と〕。ということで⸺

……イシダーシー長老尼は……。

四十なるものの集まりは〔以上で〕終了となる。

注釈【2】